東京メトロとJR東日本は2022年12月15日、無線式列車制御システムの導入推進に向け、協力して検討を進めると発表しました。

無線式列車制御システムとは、デジタル無線とコンピュータで列車の衝突を防止するシステムです。

従来のシステムでは、列車の在線位置を軌道回路で検知、閉塞区間ごとに信号の現示に基づき列車の速度を制御し衝突を防止していました。このシステムでは軌道回路やケーブル、信号機など、多くの地上設備が必要となります。

無線式では、軌道回路による位置検知に頼らず、列車自らが前方に在線する列車の位置を検知し、無線を使って列車同士で双方向に情報通信を行い列車を制御します。地上設備のスリム化や信頼性の向上が図れることから、輸送の安定性向上が期待されます。

JR東日本は埼京線などで導入し、現在は山手線や京浜東北線への導入に向け検討を行っています。東京メトロは丸ノ内線で導入しており、2024年度に同線全区間へ拡大する予定です。

両社は将来に向けた無線式列車制御システムの標準仕様の検討を行うなど、導入のスピードアップや開発コストの軽減、スマートな事業運営を目指すとしており、今後の鉄道事業者間の連携拡大にも触れられています。

(画像はJR東日本、東京メトロ共同リリースから)

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