新年15日間のシャッターチャンス 新京成が「卯年ヘッドマーク電車」運転 珍しい写真もご覧ください【年末年始の乗り鉄・撮り鉄ガイド②】
京成と西武がせめぎ合い

ここから新京成のトリビア。提供していただいた珍しい写真とともにご覧いただければうれしく思います。
終戦まで存在した旧陸軍鉄道連隊演習線の払い下げと新線建設をめぐって京成と西武がせめぎ合い、京成が用地と免許を取得したというのが、会社誕生の経緯です。
今回、調べたら西武とは現在の西武鉄道の前身に当たる西武農業鉄道。西武は池袋線を運営していた武蔵野鉄道と、新宿線の運営会社・(旧)西武鉄道が合併して誕生しましたが、1945年9~1946年11月に存在したのが西武農業鉄道。京成、西武ともに終戦直後から演習線に目を付けていた様子がうかがえます。
1947年12月、最初に開業したのは新津田沼(初代)―薬園台間2.5キロで、終点の松戸に到達したのは、8年後の1955年。1067ミリから1372ミリを経て現在の1435ミリへと、2回の改軌を繰り返した歴史は、多くの鉄道書に紹介されます。

沿線には2台のSLと森林鉄道車両
続いては鉄道ファン目線のおすすめスポット3題。新津田沼駅そば、新京成の駅ビルに入るイトーヨーカドー津田沼店に隣接した、津田沼1丁目公園に展示されるのはSL「K2型」です。
前項で紹介した鉄道第二連隊が演習用に使用していたSLで、一時期、埼玉県所沢市にあったレジャー施設「ユネスコ村」でも活躍していました。ユネスコ村は西武鉄道が運営。もちろん偶然ですが、西武は鉄道の払い下げは失敗した代わり、連隊からSLを引き継ぎました。
木曽森林鉄道からナローゲージの車両を譲受
2題目は同じ新津田沼駅、もう少し正確には1968年まで新津田沼―前原間にあった藤崎台駅が最寄りの旧大沢家住宅に展示される、ナローゲージのディーゼル機関車(DL)。
木曾王滝森林鉄道(長野県)で使用されていましたが、森林鉄道の廃止で、習志野市が1976年に譲り受け、藤崎森林公園内に移設されることになりました。
3題目は習志野駅(余談ですが、同駅は船橋市習志野台。習志野市ではなく船橋市です)が最寄りの、船橋市郷土資料館で保存されるSL「D51 125」。
1938年に日立製作所で製造。新鶴見、静岡、中津川、長門の4機関区をめぐって役目を終え1973年、薬円台公園に搬入されました。ホームページによると、毎週土・日曜日と祝日の10~16時に運転台を見学できるそうです。
鉄道とバスを組み合わせて沿線を楽しむ

ラストは乗り鉄ガイド。新京成は松戸と新津田沼でJR常磐線とJR総武線、京成津田沼で京成線に接続します。ほかに北習志野で東葉高速線、新鎌ヶ谷で北総線と成田スカイアクセス線(両線は実質同一路線)、東武アーバンパークライン、八柱でJR武蔵野線に接続します。
鉄道以外では、松戸―市川間に京成バスが頻発されるので、新京成の乗り鉄と、バスでの江戸川散策を組み合わせて楽しむのも一興かもしれません。
記事:上里夏生