大手私鉄と地方中小私鉄の異色のコラボレーションが今月、実現する。

小田急電鉄の鉄道博物館・ロマンスカーミュージアム(神奈川県海老名市。小田原線海老名駅に隣接)で2023年3月18~31日、千葉県銚子市を走る銚子電気鉄道(銚電)のPRイベント「ロマンスカーミュージアムで銚子電鉄を応援しよう」が開催される。

1923年7月に開業した銚電は今年で100周年。ここ20年ほどの間、数次にわたる経営危機を「ぬれ煎餅」、「まずい棒」といったヒット商品で乗り切ってきた。最近は「日本一のエンタメ鉄道」をキャッチフレーズに、イベントを数多く企画。鉄道ファンには、クラシックな電車が今も走ることで人気が高い。

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今回は、そうした銚電の魅力をミュージアムを訪れる鉄道ファン・小田急ファンに知ってもらおうと、コラボ企画を発案した。

オープニングを飾るのが、銚電の竹本勝紀社長の講演会(18日18時30分~20時30分、ロマンスカーギャラリー)。「絶対にあきらめない!~地域と共に存続を目指す銚子電鉄の挑戦~」をタイトルに、トップ就任以来の汗と涙と笑いの経営日記を披露。さらに、約100年にわたる鉄道の歴史を振り返る。

翌19日は、銚電の硬券乗車券にハサミを入れる「きっぷ切り体験」や、経営危機を救った「奇跡のぬれ煎餅」の手焼き体験といった体験型メニューを用意する。鉄道ファン注目は、銚電社員がトークする「安全運行・閉そくの仕組み」。単線鉄道の安全を守る、タブレット交換を実演する。

グルメ企画では、館内のカフェレストラン「ROMANCECAR MUSEUM CLUBHOUSE(ロマンスカーミュージアム・クラブハウス)」で銚子港のサバを使用した「sabaライス」や、銚子電鉄の写真がプリントされたオリジナルメニューを期間限定で提供する。

小田急側の連動企画では、小田急電鉄の前身に当たる小田原急行鉄道が開業時に導入した「モハ1形電車」の車内見学ツアーも(18、19、21、25、26、27日)。

一部プログラムは有料で、事前の申し込みが必要。催しの詳細は、ロマンスカーミュージアムのホームページで案内する。

記事:上里夏生