最終運行日の103系

和田岬線の103系が勇退する――

そのニュースが流れたのは2023年2月27日のことでした。JR西日本は3月18日(2023年春ダイヤ改正当日)を最終運行日と発表し、瞬く間に鉄道ファンに知れ渡ることになりました。

和田岬線は兵庫~和田岬間 2.7キロを結ぶ路線。山陽本線の支線という扱いです。出発すれば一駅先が終点といういわゆる「盲腸線」で、朝夕の通勤時間帯にしか電車は走っていません。現在は工場通勤者の輸送に特化した路線となっています。

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103系が投入されたのは、和田岬線が電化された2001年のこと。旧国鉄時代から運用されていた車両をスカイブルーに塗り替え、6両編成化して持ってきました。103系自体は3,447両も製造された形式ですが、和田岬線の車両は国鉄時代の原型の特徴が色濃く残ることもあり、鉄道ファンにとっては”気になる”車両でした。

引退発表後はヘッドマークや車内ポスターの掲出も行われ、全国から鉄道ファンが詰めかける様子がSNS上にも多数投稿されていました。最終運行日となった18日は、兵庫駅で出発式が行われ、午後の遅い時間帯になっても記念乗車を楽しむ利用客や撮影者の姿が見られました。

103系が走る路線は、これをもって播但線、加古川線、筑肥線のみとなります。