JR東鹿越駅に停車中の列車(写真:たか / PIXTA)

JR北海道は31日、国土交通大臣あてに、根室線 富良野~新得間(81.7km)の鉄道事業廃止届出書を提出しました。廃止予定日は1年後の2024(令和6)年4月1日です。

根室線は2016年の台風で被害を受け、現在も東鹿越~新得間でバス代行が続いています。沿線自治体とJR北海道は30日に行われた会合で、富良野~新得間の鉄道事業廃止に合意しました。

富良野~新得間はJR北海道が2016年に発表した「当社単独では維持することが困難な線区について」の中で、「輸送密度200人未満(片道100人未満)の線区」として挙げられていました。

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「石勝線開通後は特急列車の運行が無くなり、現在は極端にご利用が少ない線区です」
「老朽化した橋梁が多く存在するほか、線区のほとんどが山間部であり、立ち入り箇所が少なく維持管理に苦慮しております」
「運営赤字とは別に老朽土木構造物の維持更新費用として今後20年間で22億円程度が必要になります」
(いずれもJR北海道「当社単独では維持することが困難な線区について」p11「根室線(富良野・新得間)の概況」から)

同様の「輸送密度200人未満」の線区では、札沼線の北海道医療大学~新十津川間、留萌線の深川~留萌間が挙げられており、前者は2020年5月に廃止、後者は石狩沼田~留萌間が本日3月31日を最後に運行を終了し、残る深川~石狩沼田間も2026年3月末で廃止となる予定です。

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