コラム【鉄の余談】53 北海道で撮影したキハ40 2014年7月 ③
※2014年7月撮影 左の1768は 現存しません
トップ画像は、JR北海道根室本線浦幌駅上りホームのキハ40 1768(左)。下りホームには筆者が滝川駅から乗っているキハ40 1778。
この日は、滝川駅9:37発の釧路行「2429D」列車に乗っています。富良野駅で乗客のほとんどが降り、キハ40 1776を繋いで2両編成で釧路に向かいました。昼過ぎに帯広に着いて、長めの停車時間に昼食。帯広を出て浦幌駅で列車交換した時のカット。
ホームに降りた運転士さんに「暑いですね~」と声をかけたら「ここから直別との間にある山を越えたら急に涼しくなりますよ。釧路は、北海道の避暑地、涼しいんです」と教えてもらいました。
キハ40 1768は、1980年(昭和55年)製造のキハ40 157が1992年(平成4年)ワンマン化されてキハ40 768に改番。さらに2005年(平成17年)延命改造(機関・変速機の強化換装・他)されキハ40 1768になりました。残念ですが2022年(令和4年)6月に廃車されています。
駅名標。上厚内駅は、2017年(平成29年)利用者減少で信号場に格下げされました。現在、駅名標は「あつない」と上書きされていると思います。
※2014年7月撮影
常豊信号場でも列車交換。通票を交換していた時代のホームが残っています。旅客扱いをしたコトが無いのに旧国鉄時代から駅名標があった不思議な信号場。シャレが分かるJR北海道が駅名標をJR北海道様式に替えています。上厚内駅が信号場になった後、駅名標は更新されたのかな?
※2014年7月撮影
2017年に信号場になった上厚内駅。もう駅名標を見るコトはできません。ちなみに、常豊信号場は駅名標には載っていません。
※2014年7月撮影
直別駅でも列車交換。
※2014年7月撮影
運転士さんの言った通り、ホームに降りたら吹く風が超涼しい! 帯広の33℃に比べれば天国。これならエアコンは要りません。
※2014年7月撮影
上り列車はキハ40 1756「芽室行」でした。
※2014年7月撮影 現存しません
この車両は、1979年製のキハ40 127を1992年(平成4年)にワンマン改造してキハ40 756に改番。さらに2007年(平成19年)延命改造(機関・変速機の強化換装・他)して1756に改番したものです。2022年(令和4年)6月に廃車されました。
次の尺別駅でも列車交換が続きます。この駅も利用者減少で2019年(平成31年)信号場に格下げされました。ホームから見回しても廃屋の様な民家が数軒見えるダケでした。
炭鉱のあった時代には、数千人が乗降する駅で、駅前に炭鉱の幹部用社宅、国鉄官舎、旅館、パチンコ屋、商店が並んでいたそうです。今は、昔。
※2014年7月撮影
この尺別駅から1970年4月に廃止されるまで尺別鉄道が尺別炭山まで敷かれていました。この駅から11kmの地方鉄道線が存在し、炭鉱が閉山するまでは数千人の人が生活していました。しかし、今は全く人の住まない地域で廃屋がならんでいます。ネット上にはこーいう人の住まなくなったエリアを訪ねるサイトがあって、旧炭鉱町の寂しく荒んだ風景を観ることができました。
尺別駅では284系特急「スーパー大空」と列車交換。この編成は、先頭車両が2両と“マトモ”ですが、7両編成。(笑)
※2014年7月撮影
白糠駅でも列車交換。貨物列車とすれ違いました。DF200-12“RED BEAR”が牽引。
※2014年7月撮影
滝川駅を出発してから8時間25分、18時2分に釧路駅に着きました。308.4kmを走った編成は、休むこともなく新得行になって戻って行きます。
※2014年7月撮影
ホテルにチェックインして、本日の収穫。
※2014年7月撮影
裏面。黄色い○を付けた13駅は、廃止か信号場に格下げされています。もし仮に、この行程を走れたならば「全35駅停車」というワケです。
※2014年7月撮影
翌朝は、昨日の行程を折返します。5:45発滝川行で富良野駅を目指しました。乗ったのは、キハ40 1737。1両。
※2014年7月撮影 現存しません
この車両は、1980年(昭和55年)製造のキハ40 162が種車。1991年(平成3年)ワンマン化されてキハ40 737に改番。さらに2006年(平成18年)延命改造(機関・変速機の強化換装・他)されてキハ40 1737になっています。残念ながら2022年(令和4年)3月に廃車となりました。
音別駅で列車交換。空にはカモメがたくさん飛んでいました。
※2014年7月撮影
キハ40 1754(後方の車番は不明)と列車交換しました。こちら側の空にはカモメが一羽も飛んでいません。
※2014年7月 現存しません
キハ40 1754は、1979年(昭和54年)に製造されたキハ40 119が、1992年(平成4年)ワンマン化でキハ40 754になり、2006年(平成18年)延命改造(機関・変速機の強化換装・他)されてキハ40 1754になったものです。2022年(令和4年)3月に廃車となっています。
上厚内駅(現・信号場)でも列車交換。
※2014年7月撮影
2018年(平成30年)に解体・撤去された上厚内駅の木造駅舎。
※2014年7月撮影
今回登場したキハ40は、わずかに4両でしたが、全て現存しない廃車になっています。
2014年7月の北海道キハ40は、ここまでで15両、うち13両が廃車になっています。
まだ、続きます。
(文・写真) 住田至朗
※過去の写真はライター住田がプライベートで旅をした時のスナップ写真です。
※『JR路線大全 北陸・信越本線』(天夢人/2023)『国鉄の基礎知識』(創元社/2011)『停留場変遷大事典』(JTB/1998)『JR全駅・全車両基地』(週間朝日百科/60巻)『北海道 駅名の起源』(日本国有鉄道北海道総局/1973年)他を参照しています。
※鉄道、駅などは鉄道会社、利用者の皆様のおかげで撮影させていただいています。ありがとうございました。