昨年の下北線路祭開催の様子(写真:小田急電鉄)

鉄道線路が連続立体化(高架化または地下化)されると、跡地に出現するのは?

答えは細長い空地だ。小田急電鉄は2023年5月27、28の両日、小田原線東北沢、下北沢、世田谷代田の3駅にまたがる線路跡地の開発エリアの下北線路街で、「下北線路祭2023」と名付けたイベントを開催する。

下北線路街は、2013年3月に連立化された代々木上原―梅ヶ丘(いずれも付近)間のうち、地下化された東北沢、下北沢、世田谷代田の3駅をつなぐ地上部分に誕生した街路の愛称名。延長約1.7キロの再開発エリアで、2022年5月に全面開業を迎えた。

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線路祭は、2022年の街びらきイベントに続く2回目。世田谷代田は「食を中心に楽しめる」、下北沢は「新たな出会いや触れ合いを育む」、東北沢は「シモキタカルチャーを堪能する」と、駅ごとにコンセプトを分ける。

このうち鉄道ファン・ドラマファン注目は、2022年のテレビドラマ「silent」のロケが行われた世田谷代田駅。放送後、駅の定期外乗降人員(普通きっぷやICカード乗車券利用客)が22.7%も増えて、〝聖地巡礼ブーム〟が起きたのは、本サイトでも紹介された通りだ。

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2023年の線路祭では、同駅近隣の日本旅館で抹茶ドリンクと和菓子作りの体験ワークショップ。27日には伝統的な餅つきを再現し、つき上がった餅を来街者500人に振るまう。

小田急線と京王井の頭線が接続する下北沢では、「シモキタふれあい動物園」の名で、ウサギやモルモット、鳥・爬虫類などとの触れ合いの場を提供。27日には乗馬体験コーナーも開設する。

東北沢では、地元の商店主と共同で、「下北沢の路地裏」をイメージした街歩きの催しを開催する。

線路街全体では、凹凸のあるオブジェなどの上に紙を載せて、鉛筆で模様を写し取る「フロッタージュ」の手法を活用したウォークラリーを開催。用紙は3駅周辺で提供し、参加者は抽選で記念品がもらえる福引会に参加できる。

記事:上里夏生