JR東日本グループから、2023年度の設備投資計画が発表されていますので、概要をご紹介します。

2023年度は、変革のスピードアップのための投資計画
JR東日本グループは、モビリティ・生活ソリューションの各ビジネスの強みを更に磨き上げ、サステナブルな事業運営と成長の加速により、ポストコロナ社会における「変革のスピードアップ」に取り組みます。

JR東日本の主な2023年度設備投資の内容

(1)鉄道ネットワークの進化
◆安全・安定輸送のレベルアップ
・大規模地震対策や新幹線降雨防災対策のほか、踏切事故対策や運転保安装置整備拡大などの安全対策を着実に進めます。
・ホームドアを、京浜東北線大宮駅、中央総武緩行線東中野駅、南武線登戸駅、横浜線八王子駅などに整備し、駅ホームの安全性を向上させます。

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◆輸送サービスの拡充~在来線~
・中央快速線等へのグリーン車の導入に向けた工事や車両の新造を進めます。
・東京駅や宇都宮線・高崎線・常磐線方面から羽田空港へのダイレクトアクセスを実現する、羽田空港アクセス線(仮称)の工事に着手します。休止貨物線など既存資産を有効活用し、田町駅付近で上野東京ラインと直通させることで、東京圏鉄道ネットワークを更に充実させます。

◆輸送サービスの拡充~新幹線~
・新幹線福島駅において、山形新幹線(上り)から東北新幹線(上り)に、立体交差で接続するアプローチ線の増設工事を進めます。山形新幹線と東北新幹線が平面交差する現在の状況を解消し、輸送の安定性をさらに高めます。

・新型の山形新幹線 E8系新幹線車両(2024 年春以降、順次営業開始予定)を導入します。車椅子スペースの増設、大型荷物置場の全号車設置など車内設備を充実させるとともに、営業最高速度を 300km/h とし、所要時間を短縮します。

山形新幹線 E8系導入

(2)駅を中心としたまちづくり
◆東京エリアの複合型まちづくりによる都市機能強化
・「Global Gateway」を開発コンセプトに掲げ、高輪ゲートウェイシティ(仮称)のまちづくりを推進します。「100年先の心豊かなくらしのための実験場」と位置づけ、新たな文化・ビジネスが生まれ続ける街を目指します。
・大井町駅周辺広町地区開発(仮称)において、大井町エリア全体の賑わいと回遊性の向上につなげるとともに、災害に強く環境に配慮したまちづくりを進めます。 また、大井町駅では開発エリアに直結する広町改札(仮称)や北口(仮称)新設工事を進めます。
・幕張豊砂駅前の賑わいの拠点づくり、回遊性向上を目的として幕張豊砂駅前開発(仮称)を進めます。歩行者ネットワークの整備完了とホテルの開業を2024 年春に予定します。
・国立駅南口において、JR東日本グループ初の木造商業ビルの建設工事を進め、nonowa国立SOUTH(仮称)の開業を2024年春に予定します。積極的に木材を使用しCO₂の固定化、森林資源の循環利用促進に貢献します。

◆地方中核都市と連携したまちづくりによる快適性・利便性向上
・仙台駅からの仙台駅北部高架下空間への連続性を確保し、駅との回遊性向上および収益力向上を目的として、仙台駅北部高架下開発を進めます。2023 年冬の全面開業を目指します。
・新潟駅の高架化によって生み出された新潟駅の高架下空間に商業施設の開発を進めます。2024年春の全面開業を目指します。
・青森駅および駅周辺の魅力あるまちづくりの実現に向けた取り組みとして、旧青森駅東口駅舎跡地を活用した駅ビルの開発を進めます。

(3)Suica の共通基盤化と ICT を活用した新たなサービス提供
・「センターサーバー方式」を採用した新しい Suica 改札システムを導入します。また北東北(秋田、青森、盛岡各エリア)を対象に Suica をご利用いただける駅を拡大します。
・気仙沼線・大船渡線 BRT、芳賀・宇都宮 LRT 等において地域連携 IC カードを導入します。
・地域や観光のお客さまにご利用いただける MaaS のご利用エリアを拡大するほか、JR 東日本アプリやRingo Pass の開発を継続し、「ストレスフリーな移動」の実現につなげていきます。また、JRE POINTのサービス拡充を進めます。

(4)社会的課題の解決、業務変革のスピードアップ
◆「脱炭素」社会への貢献
・環境優位性のさらなる向上とサステナブルな社会の実現に向け、CO₂排出量削減につながる設備投資を促進するため、エコステ※の整備、照明設備の LED 化などを進めます。(※「エコステ」・・・省エネルギー、再生可能エネルギーなど、さまざまな環境保全技術を駅に導入する取り組み)
◆メンテナンス改革、社員の活躍フィールドの拡大
・新幹線線路設備モニタリング車導入などにより、より一層効率的なメンテナンス体制構築を進めます。
・社員一人ひとりが「主役」となり新たな価値創造の実現に取り組むことができる、柔軟な働き方に沿った魅力ある職場づくりを進めます。

<設備投資額(単位:億円)>
2023年度 設備投資額(連結) モビリティ:4,580、生活ソリューション:2,780、合計:7,360
2023 年度 設備投資額(単体) 合計:6,090

※写真/図:JR東日本(掲載の図は全て現時点でのイメージです)

いよいよ羽田空港アクセス線も動き出しますね。東京エリアや地方中核都市での駅とまちづくりも徐々に進んでいくと思われますので、進捗を見守りましょう。

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