小田急電鉄から、2023年度の総額261億円の鉄道事業設備投資の実施が発表されましたので、内容を紹介します。

大開口ホームドア(本厚木駅)

「安全対策の強化」と「サービスの向上」が重点

「安全対策の強化」では、全てのお客さまに安全・安心してご利用いただくため「鉄道駅バリアフリー料金制度」を活用し町田駅全ホームと本厚木駅3・4番ホームに特急車両に対応したホームドアを設置します。また、町田~相模大野駅間や相模大野~東林間駅間の橋梁で耐震補強工事を行うなど、大規模な地震等に備えた安全対策を強化するほか、列車内での犯罪抑止や事件の早期解決等を目的に、車内防犯カメラを設置していきます。

「サービスの向上」では、通勤車両「3000形」をさらに快適にご利用いただくため、3編成リニューアルし、各車両へ「車いす・ベビーカースペース」を設けます。また、継続的に実施している駅舎改良工事では、中央林間駅ホーム等の改良工事のほか、鶴川駅、藤沢駅で橋上駅舎化工事に着手する予定です。

2023年度 鉄道事業設備投資計画のうち主なもの

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■安全対策の強化■
1.ホームドアの設置

昨年度導入した本厚木駅のホームドア

1)町田駅1,2,3,4番ホーム、 2)本厚木駅3,4番ホーム
お客さまのホームからの転落やホームでの列車との接触事故を未然に防止するため、町田駅1,2,3,4番ホームと本厚木駅3,4番ホームに特急車両に対応した大開口のホームドアを設置します。また、豪徳寺駅、千歳船橋駅、喜多見駅等でホームドア設置に向けた準備に着手します。今後も、鉄道駅バリアフリー料金制度を活用し、新宿駅から本厚木駅までの全駅と中央林間駅、大和駅、藤沢駅へ設置を進めます。

2.橋梁の耐震補強等
1)町田~相模大野駅間の「JR横浜線跨線橋」耐震補強、 2)相模大野~東林間駅間の「小田原線跨線橋」耐震補強、 3)酒匂川橋梁の塗り替え
大規模な地震に備え、町田~相模大野駅間にある「JR横浜線跨線橋」と「境川橋梁」、相模大野~東林間駅間にある「小田原線跨線橋」で、橋脚の補強等を実施します。このほか、新松田~開成駅間の「酒匂川橋梁」等で、劣化した塗膜の塗り替えを実施することで腐食を防止し、構造物の延命を図ります。

3.車内防犯カメラの設置
犯罪の抑止、事件の早期解決等を目的として、通勤車両と特急車両への防犯カメラ設置を推進します。今年度は通勤車両16編成、特急車両4編成への設置を予定しており、2025年度の設置工事完了を目指します。

■サービスの向上■
1.通勤車両「3000形」のリニューアル
「3000形」6両・3編成をリニューアルします。各車両へ「車いす・ベビーカースペース」を1箇所設け、どなたにもよりご利用いただきやすくなります。さらに、省エネルギー化が図られる制御装置の搭載やオイルフリーコンプレッサーへの更新等により、環境にさらに配慮した車両へと生まれ変わります。

2.駅舎改良工事

改良後の鶴川駅のイメージ

1)中央林間駅の改良工事、 2)鶴川駅、藤沢駅の橋上駅舎化工事(予定)
中央林間駅では、利便性向上のため「東口改札口の新設」や「トイレ改修」等を実施してきましたが、2023年度はホーム改良工事に取り組み、駅舎改良工事の全体竣工は2024年度を目指します。また、鶴川駅、藤沢駅では関係自治体と実施に向けた協定を締結し、橋上駅舎化に向けた工事に着手する予定です。
(写真:小田急電鉄)

都市圏の駅ではホームドア設置が少しづつ進んでいるようで、乗客の安全性向上にはありがたいですね。

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