大正年間の1918年に西那須野~黒羽間(13.1㎞)が開業した、栃木県の東野鉄道(とうやてつどう)。

1924年には黒羽~那須小川間(13.3㎞)が延伸開業し、やがては馬頭、大内(谷川)を経て茨城県大子に至る路線となるはずでしたが、世界恐慌や日中戦争によって計画は中断。延伸の夢は叶いませんでした。

黒羽~那須小川間は1939年に廃止。乗降客と貨物輸送の減少に加え、台風による被害とその復旧負担もあり、東野鉄道は1968年、鉄道の歴史に幕を閉じます。

鉄道遺産を活用した着地型のツアーを企画

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そんな鉄道遺産を継承し、「鉄道遺産の町 那珂川」の環境整備と認知を広めることを目的に、那珂川町が廃線跡・未成線を活用した着地型のツアーを企画しています。

ツアーを監修&ナビゲートするのは鉄道ライターとしても知られる蜂谷あす美さん。廃線跡と未成線区間をたどり、歴史を振り返りながら当時の情景に想いを馳せます。

参加者には幻の「硬券切符型しおり」や「東野鉄道社章キーホルダー」を贈呈。お弁当に那賀川町の名産がぎゅっと詰まった「東野鉄道駅弁」を提供します。

那珂川町観光協会によりますと、今回のツアーのポイントとして、一般公開されていない敷設路線図の特別公開も予定されているということで、未成線ファンには特に興味を引く内容となりそうです。

詳細は那珂川町観光協会ホームページの「東野鉄道 廃線・未成線をめぐる まぼろしの鉄道旅」に掲載。出発日は2023年12月2日(土)・16日(土)で、募集人数は10名。参加費は7,500円。申込は10月20日頃から同ホームページで受け付けます。

※掲載写真は、一部那須与一伝承館提供