大晦日の夜に108の煩悩を払う! 除夜の鐘を「当日参加・無料」で撞ける東京都内のおすすめ寺院8選

毎年大晦日の夜になると、どこからともなく鳴り響く「除夜の鐘」。その音に新年の訪れを感じた経験のある人は多いでしょう。
大晦日から元旦にかけて、多くの寺院では「除夜会(じょやえ)」と呼ばれる法要を行います。法要のひとつとして一般参拝者が除夜の鐘を撞けるお寺もあり、参加できれば貴重な体験です。この記事では、除夜の鐘を撞けるお寺のなかでも「事前予約なし」「無料」で参加できる、おすすめのお寺を紹介します。
「除夜の鐘」とは?

「除夜の鐘」は、大晦日(除夜)の夜に各地の寺で梵鐘をつく、日本の伝統行事です。鎌倉時代に中国から伝わったと言われています。
一般的に、除夜の鐘は大晦日の深夜から元旦にかけて、「人間の煩悩の数」と言われる108回つきます。大晦日までに107回、元旦に1回つくお寺が多く、大晦日のうちに鐘をつくことで煩悩を消すことができると言われています。
除夜の鐘を当日参加・無料でつけるお寺
東京都内で除夜の鐘をつくことができるスポットは多数ありますが、有料かつ事前予約のお寺や、事前予約制であっという間に枠が埋まってしまうお寺、参加者が限定されているお寺も少なくありません。この記事では、今からでも間に合う! 予約なしで当日足を運べば無料で除夜の鐘を撞けるお寺を紹介します。
西新井大師/東京都足立区

真言宗豊山派の「五智山(ごちさん)遍照院(へんじょういん)総持寺(そうじじ)」。「関東三大厄除大師」のひとつで「西新井大師」の名で知られ、厄除け祈願などのため、関東の各地から多くの人が訪れるスポットです。
見事な彫刻の趣ある楼門「山門」や西新井という地名の由来になった「加持水(かじみず)の井戸」、悪疫流行に苦しむ村人を救うために訪れたとされる「弘法大師立像」など見どころの多い場所で、護摩焚きが行われる「大本堂」は存在感があります。
今年も例年通り、鐘楼に並んだすべての人が無料で、0:00~1人1回除夜の鐘をつくことができます。1月中は除夜以外もつくことができるため「子どもがいて夜遅くは少しツライ」という場合は、昼間訪れてもよいでしょう。
アクセス:東武大師線「大師前駅」から徒歩約5分、日暮里舎人ライナー「西新井大師西駅」から徒歩約20分
築地本願寺/東京都中央区

浄土真宗本願寺派の寺院「築地本願寺」。帝国大学名誉教授・伊東忠太博士が設計した古代インド仏教様式を取り入れた外観が特徴的で、立地のよさもあり観光客にとても人気があります。無料で配布されている「参拝記念カード」は月替わり。コレクターが多く、何度も訪れる楽しみがあります。
今年も、毎年恒例の「除夜会」が行われます。本堂では16:30に法要がスタートし、一時閉門後、21:00に「除夜のつどい」として開門。22:00~パイプオルガンコンサート、23:00~僧侶なんでも相談を実施。そして、境内設置の「除夜の鐘」を誰でも撞くことができます。また、今年はフードロス削減の取り組みとして、JA全農提供のホットミルクが配布されるとのこと。焚火やキッチンカーの出店もあり、0:30の閉門まで楽しめます。
アクセス:東京メトロ日比谷線「築地駅」出口1直結、東京メトロ有楽町線「新富町駅」・都営浅草線「東銀座駅」・都営大江戸線「築地市場駅」から徒歩約5分
池上本門寺/東京都大田区

日蓮宗の大本山として知られる「池上本門寺」。長栄山と呼ばれる小高い丘の上にあり、東急池上線「池上駅」から本門寺通りを通って総門をくぐり、96段の石段「此経難持坂(しきょうなんじざか)」を通って仁王門から境内に入ります。関東最古の五重塔をはじめとする歴史的建造物が多く、階段を頑張って上る価値のあるスポットです。
大晦日には鐘楼堂前で23:00から、ひとり1枚ずつ整理券を配布。定員は先着600名で、1組あたり6名で鐘をつくことができます。その場にいない人の整理券を取り置くことはできないため、参加したい全員で並ぶ必要があります。整理券の番号を呼ばれたときに不在の場合、整理券は無効になってしまいますので気を付けましょう。
アクセス:東急池上線「池上駅」から徒歩約10分、都営浅草線「西馬込駅」から徒歩約12分、JR京浜東北線「大森駅」からバス
蒲田不動尊 大楽寺/東京都大田区
大田区内からもう1ヶ所、真言宗智山派で徳川二代将軍秀忠ゆかりの寺「蒲田不動尊 大楽寺」でも0:00から30分間、除夜の鐘を撞くことができます。整理券はなく、並んだ人が全員鐘をつくことができるとのことで、より気軽に参加できそうです。
アクセス:JR京浜東北線「蒲田駅」から東急バス六郷土手行き「道塚小学校前」バス停すぐ
摩利支天徳大寺/東京都台東区

日蓮宗の寺院で日本三大摩利支天のひとつ「摩利支天徳大寺」は御徒町駅近く、アメヤ横丁からすぐのところにあり訪れやすい立地です。開運勝利の守護神「摩利支天」を祀っており、イノシシの背中に立つ姿が印象的です。
今年も23:40から順番に、境内の鐘楼堂で「除夜の鐘つき」に参加することができます。無料で参加できますが、大摩利支尊天御宝前で同時に執り行われる「元旦初祈祷」にも参加を希望の場合は別途、初穂料1万5,000円がかかります。
アクセス:JR山手線「御徒町」駅から徒歩約2分
天妙国寺/東京都品川区

日蓮大聖人の直弟子、天目上人により創建された「天妙国寺」。徳川家康が江戸入府の際に宿泊。以来、二代徳川秀忠や三代徳川家光が宿泊した記録も残されている、徳川家ゆかりの寺院です。
今年も、毎年恒例の大晦日「年送りの鐘」を実施。当日、16:00~17:00に列へ並べば、順番に鐘撞きが可能です。17:00には受け付けを終了し、18:00には閉門となるため注意しましょう。
アクセス:京浜急行線「青物横丁駅」から徒歩約4分
堀之内妙法寺/東京都杉並区

「堀之内妙法寺」は「除厄け祖師」と呼ばれる日蓮大聖人像が安置されている日蓮宗の寺で、「やくよけのおそっさま」と呼ばれるほど厄除けスポットとして広く信仰されています。「旧岩崎邸庭園」などの設計で知られる英国人建築家、ジョサイア・コンドルが設計した国の重要文化財「鉄門」は和洋折哀で珍しく必見。東京都指定有形文化財の「仁王門」「祖師堂」など、多数の重要文化財があります。
【参考】英国人建築家ジョサイア・コンドルの傑作【駅ぶら05】京成電鉄 本線05(※2022年8月掲載)
https://tetsudo-ch.com/12447375.html
大晦日は恒例行事として「除夜の鐘つき」を実施。23:30から100人限定で整理券を配布。0:00に開始し、1:00頃に頃終了となります。
アクセス:東京メトロ丸ノ内線「東高円寺駅」から徒歩約15分、「新高円寺駅」から徒歩約13分
高幡不動尊金剛寺/東京都日野市

真言宗智山派の名刹で関東三大不動のひとつ「高幡不動尊金剛寺」。平安時代初期に創建されたと言われる歴史ある寺院で、新選組・土方歳三の菩提寺としても広く知られています。五重塔や重要文化財の不動堂・仁王門といった歴史的建造物も見どころです。
毎年大晦日は「除夜の鐘供養」を実施。整理券を配布し、先着108組が無料で除夜の鐘をつくことができます。執筆時点で整理券の配布時間は決まっておらず、12月30日の午後に確定するとのこと。遠方から足を運ぶ人は事前に電話で問い合わせをすることをおすすめします。
アクセス:京王線・多摩都市モノレール「高幡不動駅」から徒歩約5分
一年の締めくくりに鳴り響く除夜の鐘は、新年を清々しい気持ちで迎えるための大切な行事です。今回ご紹介した寺院は、当日無料で参加できる貴重なスポット。ぜひアクセス情報や整理券の有無などを確認し、足を運んでみませんか。鐘の音とともに、新たな一年を迎えましょう。
(画像:Pixta)
鉄道チャンネル編集部
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