京都丹後鉄道に仲間入りした「KTR8500形」(右)と引退した「タンゴ・エクスプローラー」(左)

先月26日(日)に開催されました、「丹鉄85記念まつり」のレポートをお送りいたします。

会場は京都丹後鉄道の西舞鶴駅に併設する西舞鶴運転所車庫と西駅交流センター。イベントでは今年丹鉄に仲間入りして鉄道ファン界隈を大いに賑わせた元JR東海のキハ85系こと「KTR8500形」が、引退した人気車両「タンゴ・エクスプローラー」と並び初公開。参加費は無料でしたが、安全上の理由からKTR8500形の車両見学とタンゴ・エクスプローラーの撮影会は事前申込制となっており、参加者各回20名で6回に分けて実施されました。

公開時点では、KTR8500形はまだ外観・内装ともにJR東海時代の姿を維持していました。担当者によりますと、現在は営業運転に向けて車両検査および車両の改修工事を実施しており、車両記号やJR東海のロゴマーク、行先表示幕などは変更するとのことです。運行に関わる装置類や機器類も、京都丹後鉄道の仕様に合わせて変更されます。

イベント当日時点ではまだ「キハ85」のまま。当日展示されたキハ85-6・85-7はKTR8503・8504。部品取り車両として使われます
JRのロゴマークも残されていましたが、もちろんこれらも変更されます
KTR8500形の車内の様子
KTR8500形の運転台

ADVERTISEMENT

また西駅交流センター内ではタンゴ・エクスプローラーの車内見学ができるVR体験ほか、なりきり駅長体験やグッズ・沿線の特産品等の販売などが行われていました。取材は開場30分ほど前の時間帯に行ったのですが、その時点で会場前には長い列が。初登場のグッズもあり、鉄道ファンや地元の方が大勢いらっしゃったようです。

最近福知山にできた鉄道博物館「フクレル」の紹介も
当日展示されていた1/80のタンゴ・エクスプローラー模型
様々なサイズの子供用制服を揃えていました
タンゴ・エクスプローラーとKTR8500形のグッズ販売も
タンゴ・エクスプローラーVR体験コーナー

タンゴ・エクスプローラーは丹鉄ではレジェンドとも称される人気車両でしたが、コロナ禍によりラストランも行えないまま引退を迎えてしまったといいます。すでに第一編成は解体済みで、残る第二編成も老朽化が進んでいるため、車両公開でも外観撮影は出来ても車内に立ち入ることはできません。

そこで、補助金事業も活用して作ったのが車内体験VR。また座席をオマージュトレインに移設するなどして、在りし日の車両の姿をとどめようと手を尽くします。特急車両としての使命は、KTR8500形が受け継ぐことになるでしょう。

今年8月に運行を開始した「TANGO EXPLORER オマージュトレイン」 座席が一部移設されているほか、運行当時のシートカバーを用いたり壁面に走行写真を貼り付けるなど、タンゴ・エクスプローラーに想いを馳せる車両となっています

記事:一橋正浩

【関連リンク】