河川敷が広くて気持ち良いです【駅ぶら】06京王電鉄285 相模原線05
※2023年11月撮影
トップ画像は「京王多摩川駅」からまっすぐ「多摩川」に向かい突き当たった「多摩川堤通り」の横断歩道。右奥に「京王相模原線」の「多摩川橋梁」が見えています。
この堤防が切れた部分が「調布第一陸閘(りっこう)」です。
※2023年11月撮影
「国土交通省関東地方整備局河川用語集」によれば「陸閘」とは「やむを得ない理由で,堤防が連続していない場合,あくまでも暫定的な措置として,洪水や高潮時に堤防の機能を確保するために締め切ることのできる施設をいい,容易に閉塞できる構造となっています。」
非常時に止水用のゲートを差し込めるように両側と車止めに縦の溝があります。
※2023年11月撮影
下流側には「多摩川サイクリングロード」があります。
※2023年11月撮影
映画『無能の人』(1991年)のラストシーンは、夕暮れの多摩川を主人公(竹中直人さん)と息子、奥さん(風吹ジュンさん)が三人で手をつないで歩いて行く場面ですが、この「多摩川サイクリングロード」を下流に1kmほど下った場所で撮影されたのではないかと思います。
奥さん「この広い宇宙に 私たち家族三人だけみたい」
主人公「いいじゃないか オレたち三人だけで」
予告編にはこのナレーションが入っていました。本編中では家族で石を探しに行き山奥の寂れた宿で夜、虚無僧の尺八を遠く聞きながら交わされる夫婦の会話です。
深い時間帯だったので西日が強烈です。偶然下り電車が陽光を遮ったので撮影できたカットです。
※2023年11月撮影
河川敷にも「多摩川サイクリングロード」が伸びています。
※2023年11月撮影
右側の奥に「京王閣競輪場」の建物が見えます。
※2023年11月撮影
こちらは上流方面。つげ義春氏の原作や映画では、この河原はゴロゴロと石の転がる河原として描かれていますが、現状は草原で石ころは全くありません。
※2023年11月撮影
全くの個人的な趣味ですが、筆者は20年ほど前に「多摩川」左岸を「二子玉川」から「登戸」を経て「中河原」辺りまで何度か歩いたことがあります。その時の記憶では、石がゴロゴロ転がっている河原は「登戸」辺りだった様に思います。この「多摩川サイクリングロード」を歩いたことも覚えています。
京王「相模原線」の橋梁を上流側から。ススキが逆光で輝いています。
※2023年11月撮影
「京王閣競輪場」が草原の向こうに見えます。
※2023年11月撮影
バックスタンドの正面まで来てみました。「東京オーヴァル京王閣」と表記されています。青く深い秋の空。黄色い矢印の部分が塞がれた「調布第三陸閘」の跡と思われます。下には河原に下りる石段が残っていました。
※2023年11月撮影
京王「相模原線」が鉄橋を渡る音が聞こえました。
※2023年11月撮影
広くて気持ちの良い河川敷でノンビリしました。
(写真・文/住田至朗)
※駅構内などは京王電鉄さんの許可をいただいて撮影しています。
※鉄道撮影は鉄道会社と利用者・関係者等のご厚意で撮らせていただいているものです。ありがとうございます。
※参照資料
・『京王ハンドブック2022』(京王電鉄株式会社広報部/2022)
・京王グループホームページ「京王電鉄50年史」他
下記の2冊は主に古い写真など「時代の空気感」を参考にいたしました
・『京王電鉄昭和~平成の記録』(辻良樹/アルファベータブックス/2023)
・『京王線 井の頭線 街と駅の1世紀』(矢嶋秀一/アルファベータブックス/2016)