業務提携を発表する深澤祐二JR東日本(左)、西川弘典東急不動産HD(右)の両社長=2023年2月に東京都内で(役職はいずれも当時)=(画像:JR東日本)

JR東日本グループと東急グループの包括業務提携がいよいよ動き出す。

JR東日本と東急不動産ホールディングス(HD)は2024年3月期の株主優待策で、それぞれのグループが運営する宿泊・レジャー施設などを、お互いに特別価格で利用できるコラボサービスに乗り出す。対象は、関東圏を中心にした北海道から九州までの全国117施設で、優待券発行は双方の定時株主総会が終了する2024年6月を予定する。

両社それぞれが安定株主を確保するとともに、JRの沿線開発を東急不動産HDのノウハウで促進するなどの狙い。東急不動産HDは北海道や関西圏、九州エリアでもホテルやリゾート、スキー場などを運営しており、JRにとっては東日本エリア外にも株主が広がるメリットがある。

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両社は2023年2月、持続可能な街づくりを主眼にした包括的業務提携契約を締結。今回は株主優待という実践策で、WINWINの関係構築を目指す。

具体的な連携策では、JR東日本は3月末時点の100株以上を保有する株主について、東急不動産HD系のリゾートホテルなどで利用できるコラボ券を発行。

東急不動産HDも、同じく500株以上の株主に、JR東日本ホテルズや直営レストランなどの優待券を送付する。優待券の利用期間は、両社とも2025年6月まで。

また、両社グループはネットショッピングの通販サイトでも提携。今後はJR東日本の所有地を東急不動産HDが開発するなど、踏み込んだ業務提携に乗り出す。

記事:上里夏生