いよいよ10月13日のフィナーレが近づく大阪・関西万博。前回記事では、158の国・地域と7つの国際機関が参加している万博の海外パビリオンの魅力や壮大な大屋根リングなどご紹介しましたが、万博の面白さはそれだけではありません。今回の記事では、日本の技術とカルチャーが集結した国内パビリオンの中から、特に注目度の高い「ガンダムパビリオン」や「PASONA NATUREVERSE」、そして万博のテーマ「いのち」を8人のプロデューサーがそれぞれの形で表現した「シグネチャーパビリオン」の魅力、そして万博会場内の夜の風景などをご紹介します。

(参考)万博 いよいよ後半戦へ! 夏以降も楽しめるおすすめイベント&パビリオンを紹介!大屋根リングの見どころも (体験レポート1)  https://tetsudo-ch.com/13007871.html

27館ある国内パビリオン

海外からのパビリオンの他にも、日本の各地域や企業が独自のテーマで展開する国内パビリオンが、27館設けられています。ここでは、その中から2つをご紹介します。

ガンダムパビリオン:未来の宇宙体験と実物大ガンダム

ガンダムファンならずとも必見の「GUNDAM NEXT FUTURE PAVILION」は、宇宙への移住をテーマにした超没入型体験を提供します。パビリオンの外には、全高約17メートルの実物大ガンダム像「RX-78F00/E ガンダム」が鎮座し、宇宙、そして未来に向けて手を差し伸べる新たな姿で登場します。

巨大なガンダムが目を引きます

内部では、コックピット視点のXR演出や、これまでのガンダムの歴史をたどる年表「THE HISTORY OF GUNDAM」が圧巻です。限定映像や最新モビルスーツの展示も見逃せません。夜の展示は、ガンダムが光り輝き、幻想的な雰囲気を醸し出します。パビリオン体験は10:00~21:00の間に約12分ごとに入場が設定されていますが、必ず事前予約か当日の登録が必要です。比較的空いている平日の夜は狙い目ではないでしょうか。

「PASONA NATUREVERSE」:鼓動する「iPS心臓」展示

パソナグループが出展するパビリオン「PASONA NATUREVERSE」のコンセプトは「いのち、ありがとう。」です。館内では、「からだ」「こころ」「きずな」をテーマに、生命の神秘や人との繋がりに感謝する体験ができます。メディアに取り上げられることの多い、iPS心筋シートの技術を活用した動く『iPS心臓』などの最新テクノロジーなどが展示されています。
建築家の藤本壮介氏がプロデュースを手掛けており、生命への感謝をテーマにした物語を巡ることで、ウェルビーイングな生き方のヒントを得られるパビリオンとなっています 。

パビリオンの建物先端に「「アトム」が座っています

手塚治虫さんが生み出した有名キャラクター「鉄腕アトム」がパビリオンのナビゲーターを務めるほか、「ブラック・ジャック」が未来の医療のあり方や、人にも環境にもやさしい食べ物等を紹介します。彼らと共に、いのちの歴史を学ぶことができます。まだ予約が無い方でも、当日予約枠を利用したり、予約なし待機列を利用して入場できる可能性がありますので、挑戦してみてください。(※当日予約枠が満席となる場合もあります)

8つのシグネチャーパビリオン

大阪・関西万博会場の真ん中に位置する、8人のプロデューサーが主導するパビリオンを「シグネチャーパビリオン」と呼んでいます。パビリオンやイベントを通じて、リアルとバーチャルをインクルージョンした多様な体験により、訪れるすべての人々が「いのち」について考え、その概念をアップデートする場所になります。

「Dialogue Theater–いのちのあかし–」

映画作家・河瀨直美さんがプロデュースしたシグネチャーパビリオンが、「Dialogue Theater–いのちのあかし–」です。
廃校の校舎を利用したシアター形式のパビリオンで、建物は、実際に奈良と京都にあった2つの学校の廃校舎の資材を利用しているので、まさに昭和の学校という雰囲気が漂います。

廃校舎を利用した「Dialogue Theater–いのちのあかし–」の建物

ここは、毎日異なるテーマで、その日に初めて出会う二人がスクリーンを通じて対話を行い、来場者全員でそれを目撃する体験ができるパビリオンになっています。対話する二人のうち一人はスクリーンの向こう側で、もう一人は来場者の中から選出される形式です。「対話」を通じて、世界の至るところにある「分断」を明らかにし、解決を試みる実験場をとなっており、184日間の会期中に、毎回異なる対話が行われることになります。
ホワイエとシアター会場へは予約(当日枠もあり)が必要ですが、このエリアの「森の集会所」へは予約なしでも入れますので、見学してみると良いと思います。

建物内には学生が書いた落書きなども残ります

「EARTH MART」

もう一つ、シグネチャーパビリオンをご紹介しましょう。茅葺屋根が印象的な「EARTH MART」は、放送作家の小山薫堂さんがプロデュースしたパビリオンです。

茅葺屋根の「EARTH MART」

ここは、地球環境や飢餓問題と向き合いながら、日本人が育んできた食文化の可能性とテクノロジーによる食の最先端を提示し、より良き未来へと導く「新しい食べ方」を来場者と共に考る場所になっています。

上部にはたまごや魚の群れが浮かぶ、「食」を考える展示です

パビリオンの中には空想のスーパーマーケットが広がっており、日本人の食に関しての様々な展示は非常に興味深いものが多いので、お子様連れでも楽しめるようなものになっています。将来の食事を考える「未来のフロア」では、バーチャルでの有名すし店すきやばし次郎のカウンターのイメージ展示などもあります。

バーチャルでも、鮨職人さんと目が合ったような錯覚に

あらためて、「食」に向き合うような、家族で一緒に楽しめるようなパビリオンです。

休憩スポット、歩き疲れたら絶品スイーツで一息

万博会場内には、たくさんのレストランやカフェが入っています。
その中から今回ご紹介するのは、「おいもといちごとりんごのらぽっぽFarm to the Table」です。店名通り、さつまいもを使用した人気のスイーツ店です。
全国の美味しいおいもとイチゴをふんだんに使った ピザやデザート、かき氷などを提供しています。

おいもスイーツが魅力のカフェ Farm to the Table

場所は、静けさの森ゾーンの北西側になります。店内には、いちごが植えられていたりおいも畑があるので、それを観ながらゆっくりとスイーツを楽しむことが出来ますよ。写真映えも抜群の「いちごが乗った大きなパフェ」は、SNSでも話題です

写真映え抜群の、いちごが乗った大きなパフェです

万博会場内には、各国のパビリオン内のお店も含めて、多くの飲食店がありますので、事前に調べてみてるのが良いでしょう。

感動のフィナーレへ、閉幕セレモニーの期待

2025年大阪・関西万博は、いよいよ10月13日(月)に閉幕を迎えます。この日は、EXPOホール「シャインハット」で閉会式が盛大に開催される予定です。
閉会式では、万国博覧会旗が次期開催都市であるセルビアのベオグラード市とサウジアラビアのリヤド市にそれぞれ授受されるという、万博の象徴的な瞬間が訪れます。万博のレガシーが次の都市へと受け継がれる瞬間を共有することは、来場者にとって、未来への希望を抱かせる体験となるでしょう。

万博の残り1か月を最大限に楽しむために

閉幕に向けてさらに魅力と興奮が高まるこの時期は、混雑を避ける日や時間帯を狙うことが賢明です。
パビリオンやイベントの予約に関しては、既に2か月前抽選などを利用している方以外にも、7日前抽選空き枠先着予約、さらに当日登録などで予約が出来るものもあります。また、予約なしで入場が出来るパビリオンやイベントもありますので、チェックをしてみて下さい。

予約無しで楽しめるパビリオンのマップ (万博協会提供)

来場する際は、万博協会の公式ウェブサイトやSNSで最新の混雑状況、イベントスケジュール、チケット情報をこまめに確認することが、スムーズで充実した体験に繋がります 。

(参考) 大阪・関西万博 9月は週末大混雑! 予約なしでも楽しめるパビリオンやイベントも!最新の混雑予想と攻略法を解説 https://tetsudo-ch.com/13011009.html

会場内を歩き、景色を楽しむのも良いものです

パビリオン巡りやイベント見物、飲食店などだけが万博の楽しみ方ではありません。象徴的な大屋根リングの上をはじめ、万博の広い敷地内を散歩するだけでも、雰囲気を楽しむことが出来ますので、写真で会場の雰囲気をお伝えします。

(写真:鎌田啓吾 / 鉄道チャンネル)

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