大町小児童とともに協定書をお披露目する持永北総鉄道社長(最後列左から2人目)と田中市川市長(右隣)(記者撮影)

年度替わりに向け、毎年3月は鉄道会社と沿線自治体による連携のニュースがマスコミをにぎわす。今春もJR東日本八王子支社と山梨県甲斐市などの情報が発信されたが、成田スカイアクセスの北総鉄道は2024年3月15日、千葉県市川市と「地域活性化に関する協定」を結んだ。

活性化の目標は、「大町駅の魅力向上」。市川市は、大町駅を市北部の拠点駅としてレジャー客を呼び込む構想。両者は駅の話題づくりに向け、中2階コンコースに駅近隣の市川市動植物園をモチーフにした大型イラストを描いた。

市川市北部はY型境界線で松戸市と接し、市内の北総駅は北国分と大町の2駅。両駅間の秋山、東松戸、松飛台の3駅は松戸市という、やや特殊な自治体との関係だ。

ADVERTISEMENT

大町駅周辺には特産のナシ園が点在し、自然も残る。市川市は大町駅からレジャー客を誘客。2022年10月の運賃値下げで話題をまいた北総鉄道も、沿線住民や航空旅客以外の利用促進に力を入れる。

大町駅は高架上を列車が走る構造で、駅装飾は地上駅舎からホームへの中2階コンコースに描かれた。タイトルは「GO! ICIKAWA CITY ZOO」で、動植物園のキャラクター・レッサーパンダの梨丸が駅周辺の見どころを案内するスタイルだ。

ユニークなのが、市川市が2023年に制作した「いちかわかるた」。「市川の梨おいしくって言うことなし」、「ローズいちかわ色鮮やかに咲き誇る」などと動植物園をPRする。

大町駅のセレモニーでは、北総鉄道の持永秀毅社長と市川市の田中甲市長が協定書にサイン。地元・大町小学校の児童が、幕を引き落として駅装飾をお披露目した。

このほか、北総鉄道は鉄道ファン注目のニュースを続々発信。協定締結と同日の2024年3月15日には、「北総1期線開業45周年&千葉ニュータウン中央駅開業40周年記念記念硬券セット」を発売。次いで4月13日には「大人向け車両基地見学会」、同21日には印西市のイオンモール千葉ニュータウンで「ほくそう春まつり2024」を開催する。

記事:上里夏生

【関連リンク】