鉄道部品やグッズ販売に長蛇の列 DMVも「上京」 大盛況だったお台場の「鉄道フェス」(東京都江東区)
会場を包む熱気は、明らかに前年を上回っていた。10月14日の「鉄道の日」をアピールしようと、2024年10月13~14日に東京都江東区のお台場イーストプロムナードで開催された31回目の「鉄道フェスティバル(鉄道フェス)」。鉄道会社・団体を中心に、前年より2割ほど多い約80社(者)が出展した。
鉄道の日の全国イベントになる鉄道フェス、国土交通省や鉄道建設・運輸施設整備支援機構(JRTT)、全国の鉄軌道事業者、鉄道関係団体などで構成する「鉄道の日」実行委員会が主催。地方創生につながる催しとして、全国知事会、全国市長会、全国町村会などが後援した。
2019年からの3年間は、荒天と新型コロナの影響で開催中止。2022年の復活後、2023年は長く続いた東京・日比谷公園からお台場に会場を移転。前回は様子見だった鉄道会社も今回から本格的に物販を再開し、待ちかねたファンが大挙して押し寄せたというのが2024年の構図だ。
会場最寄りの東京臨海高速鉄道国際展示場駅、ゆりかもめ有明駅、東京ビックサイト駅には、明らかに鉄道ファンと分かる人が目立った。
今回は総選挙公示前という特殊事情で、国土交通大臣や副大臣、政務官が出席するオープニングセレモニーは中止。10時の放送を合図に、各ブースが一斉オープンした。
会場の入口近くに、多くのファンが並んだ東京都交通局ブース。都営地下鉄のプレートやテールライトには、販売価格10万円を超す〝お宝〟も。南海電気鉄道はこれまで民鉄(私鉄)ブースでの共同出展だったが、2025年の大阪・関西万博もにらんで、今回は初めて単独参加。社名の変遷を尋ねるクイズラリーなどで、大阪ミナミと関空国際空港や和歌山・高野山を結ぶ鉄道を発信した。
JRグループは各社各様にPR。JR東日本の管内各線運転シミュレーター、JR東海の東海道新幹線60周年、JR西日本の北陸新幹線など一押しメニューが並んだ。
「鉄道フェスおそらく初めての本物の鉄道車両」(主催者事務局)というのが、徳島県の第三セクター・阿佐海岸鉄道が会場展示したDMV(デュアル・モード・ビークル)。線路と道路の双方を走れる車両で、車軸にひびのようなものが見つかって2024年10月1日から運休していたが、詳細な検査でメッキがはがれただけと分かり、前日の10月12日から運転を再開した。
DMVの関東遠征は初めてで、フェリーで高知から東京へ。お台場には自走でやってきた。ガイド役を務めた大谷尚義代表取締役専務は、「鉄道ファンの皆さんの徳島来訪をお待ちしています」と話した。
鉄道系出版社で唯一出展した交通新聞社は、東海道新幹線60周年を記念して表紙に0系新幹線をあしらった、全国版コンパス時刻表の鉄道フェス限定バージョンを発売。地方鉄道ファン向けグッズは、青函連絡船など廃止・廃線になった路線の時刻表をプリントしたクリアファイルが話題を集めた。
記事:上里夏生
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