コラム【鉄の余談】30 廃止された夕張支線に乗りました②
※2016年9月撮影
トップ画像は、JR北海道石勝線夕張支線の分岐する新夕張駅。
この時、2016年(平成28年)8月の台風10号の大雨で新夕張駅~新得駅間が不通でした。撮影した9月4日の4日後、新夕張~トマム間は復旧しますが、トマム~新得間の復旧は12月でした。
ホームの駅名標。
※2016年9月撮影
石勝線の滝ノ上は、実はとてもキレイに上書きされています。この年の3月に十三里(とみさと)駅が信号場になったためです。滝ノ上駅も2024年(令和6年)3月、信号場になり隣駅は、川端駅になりました。夕張支線の沼ノ沢駅は、2019年(平成31年)夕張支線廃止のために廃駅。占冠(しむかっぷ)駅は、現存しています。夕張支線が廃止されていますから「のりかえ」案内もなくなっています。
この日、夕張駅まで行って復路は千歳行でした。信号場になった滝ノ上駅を撮っていました。
※2016年9月撮影
駅名標。新夕張駅と上書きされているのは、十三里駅が信号場になったためです。
※2016年9月撮影
この日は、千歳発14:27の夕張行に乗車していました。キハ40 1767の1両で運転されていました。追分駅に停車中のショット。
※2016年9月撮影
行先表示は「夕張-千歳」でした。
※2016年9月撮影
沼ノ沢駅はホームが左にカーブしているので前面展望が撮れませんでした。駅名標は、白く塗りつぶされています。悪戯でしょうか。この後、駅名標は新しくなっていました。
※2016年9月撮影
駅は、1905年(明治38年)海道炭礦鉄道の石炭用貨物駅として開業。1906年(明治39年)国有化。1910年(明治43年)旅客営業開始。1987年(昭和62年)国鉄分割民営化でJR北海道が継承。2019年夕張支線廃止にともない廃駅。
駅舎。右半分はレストランでした。レストランは廃駅後、店を閉めました。
※2016年9月撮影
4.0kmとやや長い駅間で南清水沢駅。
※2016年9月撮影
駅名標。
※2016年9月撮影
1962年(昭和37年)開業。JR北海道に継承され、2019年夕張支線廃止にともなって廃駅。
駅舎、ホーム出入口。
※2016年9月撮影
利用者さんが数人下車しました。
※2016年9月撮影
駅舎は、廃駅後改築され蕎麦屋になったそうです。
1.5kmで清水沢駅。奥に人専用の跨線橋があります。
※2016年9月撮影
大きな駅舎があって、長い通路を利用者さんたちが歩いています。かつては石炭を運ぶ為の線路がたくさんあり、大きな跨線橋で駅舎に渡っていました。
※2016年9月撮影
駅名標を撮り損ねました。
清水沢駅は、1897年(明治30年)北海道炭礦鉄道の石炭用貨物駅として開業。1901年(明治34年)旅客営業開始。1906年(明治39年)国有化。
1911年(明治44年)大夕張炭礦専用鉄道(後の三菱石炭鉱業大夕張鉄道線)開業。さらに1947年(昭和22年)三菱鉱業大夕張鉄道線が乗入れました。石炭の最盛期を迎えます。
1987年国鉄分割民営化でJR北海道に継承されます。同時に三菱石炭鉱業大夕張鉄道線が廃止。石炭の時代は終焉です。2019年夕張支線廃止によって駅も廃止されました。
この駅舎は、廃駅後解体されて更地になっています。
※2016年9月撮影
6.6km、夕張支線最長の駅間で鹿ノ谷駅。ここにも人道跨線橋があります。
※2016年9月撮影
この駅間に映画「幸福の黄色いハンカチ」のロケに使われた炭鉱住宅五軒長屋があり「幸福の黄色いハンカチ想い出ひろば」が作られています。こちらに夕張市の案内があります。
高倉健さん演じる主人公が、元夕張炭鉱の労働者という設定でした。筆者もこの映画を観たので夕張に来た様な気がします。
2014年3月は、雪に埋もれていた駅名標。
※2016年9月撮影
この駅も1901年(明治35年)北海道炭礦鉄道の石炭積出の貨物駅として開業しました。しかしすぐに旅客営業を開始。石炭最盛期には、この駅から3線の石炭専用線が炭鉱と結ばれていました。国有化を経てJR北海道に引き継がれました。2019年の夕張支線廃止にともない駅も廃止。
駅舎は、その後JR北海道から市民の団体に無償で譲渡されたという事です。
※2016年9月撮影
1.3kmと短い駅間で終点の夕張駅です。
※2016年9月撮影
写真撮影をしている方がいました。
※2016年9月撮影
この後、筆者は、折返しの16:31千歳行に乗車して追分駅。岩見沢行に乗り換えて滝川駅に向かいました。
次回は、2020年(令和2年)に廃止された札沼線の北海道医療大学~新十津川間に乗ります。
(文・写真) 住田至朗
※過去の写真はライター住田がプライベートで旅をした時のスナップ写真です。
※『JR路線大全 北陸・信越本線』(天夢人/2023)『国鉄の基礎知識』(創元社/2011)『停留場変遷大事典』(JTB/1998)『JR全駅・全車両基地』(週間朝日百科/60巻)『北海道 駅名の起源』(日本国有鉄道北海道総局/1973年)他を参照しています。
※鉄道、駅などは鉄道会社、利用者の皆様のおかげで撮影させていただいています。ありがとうございました。