※2016年9月撮影

トップ画像は、JR北海道札沼線の終点新十津川町。函館本線滝川駅からバスで来ました。駅への案内です。新十津川駅は廃止されたので、この案内も撤去されたのではないでしょうか。

新十津川駅、駅舎。

※2015年3月撮影

札沼線非電化区間廃止後、駅舎は2021年解体撤去され駅跡地にホームが整備された公園が作られています。筆者は、まだ駅跡地の公園には行っていません。

札沼線は、札幌駅と留萌本線の石狩沼田駅を結ぶ石狩川右岸を走る路線でした。石狩川左岸には函館本線が敷かれていましたが、石狩川には当時、橋が無く住民から札幌と結ぶ鉄道が求められてきたのでした。

1931年(昭和6年)石狩沼田駅から中徳富駅(初代中徳富駅、現在の新十津川駅)まで開業。

これは新十津川の地名の元になった奈良県十津川村からの団体移住による開拓の歴史を展示する「新十津川町開拓記念館」です。

※2019年6月撮影

1972年(昭和47年)に廃止された上徳富駅の駅名標がありました。背後にも展示物があるのでカメラが下がれません。

※2019年6月撮影

上徳富駅の運賃表。いつ頃のモノでしょうか。札幌まで360円、東京都区内まで3880円となっています。

ちなみに現在の東京-札幌の普通乗車券は、1万5千円ほどです。

※2019年6月撮影

昭和42年産米 35万俵出荷達成記念。まさか中身はレコードではないと思いますが・・・。1俵が約60kgとして2万1千トンの出荷量です。

※2019年6月撮影

新十津川町は、北海道有数の米産地です。ブランド米、テレビCMなどでも有名な「ななつぼし」「ゆめぴりか」など年間2万トンを生産しています。

話を札沼線に戻します。

1935年(昭和10年)には札幌まで全通。しかし太平洋戦争が激化、函館本線と並行する札沼線の石狩当別駅~~石狩沼田駅間が不要不急路線として休止され鉄材として線路が撤去されました。

戦後11年目の1956年(昭和31年)全線で運行が再開。しかし戦後のモータリゼーションの劇的な普及で札沼線の利用者が減少。1968年(昭和43年)国鉄諮問委員会の「赤字83線」の指摘を受けて1972年(昭和47年)新十津川駅~石狩沼田駅間が廃止されました。

筆者は、2015年(平成27年)3月札沼線石狩当別駅から新十津川駅まで初めて乗車しました。当時は、新十津川駅発の上り列車は、9:41、12:59、19:22の3本がありました。

しかし当時の乗降客数は、6人/日。つまり到着した列車から1人降りて、出発する列車に1人が乗りこむという状態だったのです。

2016年(平成28年)から非電化区間(北海道医療大学~新十津川)が廃止される2020年(令和2年)4月まで浦臼駅~新十津川駅間は、1日1往復しか列車が運転されませんでした。

これは、2016年9月に新十津川駅で撮った時刻表。

※2016年9月撮影

9時28分に到着した下り列車が折返し9時40分発石狩当別行になります。始発が終電という凄い状況。

2019年(令和元年)6月に新十津川駅に来た時、駅前広場に「駅市」という小屋が建てられていて札沼線グッズを販売していました。列車が9:28着、9:40発の1本だけなので営業時間も9時~10時半と短いものでした。横の看板には「日本一早い最終列車が出発する終着駅」と書かれていました。前年の2018年末に札沼線非電化区間の廃止が決まっていたので、全国の鉄道ファンが札沼線に乗って新十津川駅にたくさん来ていました。

※2019年6月撮影

筆者は、2015年、2016年、2019年と三度新十津川駅に行っています。2020年4月に廃止された札沼線北海道医療大学~新十津川間をこの3回の札沼線訪問から記録して行くことにします。

トコロで2019年にレンタカーで新十津川駅に行った時に別の事で驚きました。話は、2016年9月に新十津川駅に行った時に戻ります。滝川駅は、駅舎耐震補強工事・改装工事の真っ最中でした。もう待合室にあった駅そば店もなくなっていました。

※2016年9月撮影

駅前広場再整備事業も始まっていました。

2015年3月に新十津川町役場前からバスに乗って着いた「中央バス滝川バスターミナル」から2016年は、新十津川町に向かいました。

※2016年9月撮影

バスターミナルの乗り場①。

※2016年9月撮影

バスは、石狩川を渡って

※2016年9月撮影

15分ほどで新十津川町役場前に着きました。

※2016年9月撮影

ちなみにこの役場庁舎も、改築され新しくなっています。トップ画像は、この後、新十津川駅まで歩いていた時の1枚です。

ところが、2019年6月に滝川の町に行って滝川バスターミナルを見ると、何とバスターミナルではなくなっていたのです。

※2019年6月撮影

筆者は、え~っ、あんなに賑わっていたバスターミナルはどうなっちゃったの? と驚きました。

で滝川駅に行ってさらに吃驚。駅前広場が出来てグライダーが置いてあったのです。

※2016年9月撮影

これが駅前広場再整備事業でした。でも筆者は、全く知らなかったのです。バスターミナルの機能は駅前広場に移されていました。

※2016年9月撮影

どちらかと言うと、北海道では、主に廃線、駅廃止といったネガティブな事象に馴れていたので、発展する状況をとても嬉しく感じました。

しかし、次回からは、また廃止された札沼線非電化区間の駅を回ります。

(文・写真) 住田至朗

※過去の写真はライター住田がプライベートで旅をした時のスナップ写真です。

※『JR路線大全 北陸・信越本線』(天夢人/2023)『国鉄の基礎知識』(創元社/2011)『停留場変遷大事典』(JTB/1998)『JR全駅・全車両基地』(週間朝日百科/60巻)『北海道 駅名の起源』(日本国有鉄道北海道総局/1973年)他を参照しています。

※鉄道、駅などは鉄道会社、利用者の皆様のおかげで撮影させていただいています。ありがとうございました。