静岡県が人気アニメ「ゆるキャン△」と連携して2024年10月~2025年2月までで実施したスタンプラリーが、県内におよそ5億円もの経済波及効果をもたらしました。この企画には県内外から8,000人以上が参加し、特に県外からの参加者は半数以上を占めるなど、ファンの熱意が地域経済の活性化を力強く牽引しました。満足度も97%を超えるこの取り組みは、アニメの舞台を巡る「聖地巡礼」がコンテンツツーリズムとして大きな成功を収めた理想的な事例と言えるでしょう。

総経済波及効果は約4億9,810万円!

今回のスタンプラリーによる経済波及効果4億9,810万円は、2021年度に行われた同様の企画の4億1,148万円を大きく上回る結果となりました。県内各市町や関係機関が連携し、SNSや各種イベントなどで積極的に情報を発信したことが、多くのファンの誘客と県内周遊につながったと考えられています。産業別に見ると、宿泊業を含む「対個人サービス」が約2億1,585万円と最も大きく、次いで「運輸・郵便」が約9,707万円、「商業」が約4,902万円と、幅広い分野に効果が及んでいます。

県外からの参加者が半数超、ファンの熱意が消費を牽引

参加者総数8,330人のうち、静岡県外からの参加者は4,439人と半数以上を占めました。1人あたりの平均消費額を見ると、県内在住者が35,405円だったのに対し、県外在住者は61,765円と、こちらも前回調査時より増加しています。遠方から訪れたファンの作品に対する熱意が、宿泊や交通、買い物といった消費行動を力強く牽引したことがうかがえます。

参加者の97%超が「良かった」と回答!

参加者へのアンケート調査では、97.4%がスタンプラリーに「良かった」と回答しており、非常に高い満足度を得られたことが分かります。良かった理由として最も多かったのは「「ゆるキャン△」のモデル地をほぼ楽しめた」で7割強にのぼりました。さらに、「静岡県の知らなかった観光地を知ることができた」という回答も半数を超え、ファンが作品の舞台を巡ることを楽しみつつ、県の新たな魅力に触れる良い機会となったようです。

「ゆるキャン△」×静岡県 スタンプラリー(令和6年度)概要

令和6年度の「ゆるキャン△」と静岡県のコラボレーションスタンプラリーは、2024年10月11日から2025年2月28日までの期間で実施されました。県内全域に40箇所のスタンプスポットが設けられ、参加者は静岡県の公式観光アプリ「TIPS」を使用してスタンプを集めました。参加者は合計で8,330人、総スタンプ取得数は89,321個にのぼりました。

コンテンツツーリズムの理想形、今後の展開は?

人気アニメ「ゆるキャン△」と静岡県との連携が、再び大きな成功を収めました。今回のスタンプラリーは、ファンの満足度を高めながら、約5億円という大きな経済効果を生み出すという、コンテンツツーリズムの理想的な形を示したと言えるでしょう。テレビシリーズ第4弾の制作も決定しており、今後も「ゆるキャン△」が静岡県の魅力を発信する起爆剤となることが期待されます。

(画像:静岡県)

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