成田空港の国際競争力を飛躍させる「第2の開港プロジェクト」が、また一歩前進しました。国土交通省は2026年4月10日、首都圏中央連絡自動車道(圏央道)の「圏央成田IC〜多古IC」間に新設される「成田空港周辺IC(仮称)」の事業を許可しました。このICは、2030年代初頭の供用を目指す「新貨物地区」に近接する本線直結型で、開通により貨物地区から圏央道へのアクセス時間が約9分短縮される見込みです滑走路の増設や旅客ターミナルの集約化が進むなか、人とモノの流れを支える新たな「血管」としての役割が期待されています。

圏央道で首都圏広域の環状交通アクセスが向上

首都圏中央連絡自動車道(圏央道)は、東京都心から半径約40〜60kmを結ぶ、全長約300kmの環状線の高規格幹線道路です。放射状に伸びる各高速道路(東名・中央・関越・東北・常磐・東関東)を連結することで、都心の混雑緩和や物流・経済の活性化を担う重要なインフラとして整備が進んでおり、約300kmのうち、約270kmが開通済です。
圏央道の全線開通により、東京湾アクアラインと一体となって、成田空港と羽田空港を結ぶ新たな連携軸も生まれます。東海圏や神奈川、東北、北関東などとの広域アクセス向上も期待されます。

「成田空港周辺IC(仮称)」による物流速達性の向上

今回認可された新IC「成田空港周辺IC(仮称)」は、成田IC―多古ICの間に位置します。

中央環状の「成田空港周辺IC」の位置(図:国土交通省)

新ICが開通した場合には、成田空港の新貨物地区から、圏央成田IC方面へのアクセス時間は約19分から10分となり約9分短縮される見込みで、多古IC方面へののアクセス時間は約6分間短縮される見込みです。

新ICで見込まれる時間短縮の効果(図:国土交通省)

インターチェンジは本線直結型で、全方向4/4形式、全車種24時間で運用。空港周辺の道路網を強化し、人とモノの流れを支えるとしています。物流の効率化に加え、企業立地の促進や雇用創出、定住人口の増加など、地域活性化への効果も見込まれます。

新貨物地区からアクセスが便利になります

成田空港で進む「第2の開港プロジェクト」

成田空港では、C滑走路の新設や新貨物地区の整備を柱とする「第2の開港プロジェクト」が進んでいます。B滑走路の延伸とC滑走路の新設を進め、滑走路3本体制を目指しています。

滑走路3本体制へ

旅客ターミナルについては、既存ターミナルを再構築した集約型の「ワンターミナル」を目指すとされています。旅客にとっては、シンプルで分かりやすくなり、効率的なターミナル運用が可能となります。

【参考記事】【2030年代の成田空港】世界最大級の巨大ターミナルへ 3ターミナル集約の「ワンターミナル」構想と「新駅誕生」で第2の開港へ! https://tetsudo-ch.com/13020079.html

また、空港内外に分散している航空物流機能を集約した「新貨物地区」が整備されます。最先端技術の導入などにより、航空物流フローの効率化なども図られることになります。成田空港は、現在の国際貨物の取扱量は全国1位で、今回の周辺IC整備による圏央道へのアクセス向上や物流効率化を通じて、さらなる空港の国際競争力強化につなげる狙いがあります。

一方、鉄道アクセスも強化が進みます。成田空港には成田スカイアクセス線、京成本線、JR線が乗り入れています。京成電鉄は、押上―成田空港間を結ぶ新型有料特急車両の設計に着手していて、2028年度の運行開始を目指しています。
現在の成田空港への鉄道アクセスのボトルネックとなっている、成田空港外の一部区間(約9km)の単線運用に関しては、この区間の複線化を含めた検討が進められ、同時に混雑緩和と輸送力増強の案も検討されています。

京成特急スカイライナ( PIXTA)

道路と鉄道、そして空の道。すべてのインフラが「2030年代の成田」というゴールに向けて一つに繋がり始めています。今回事業許可された新インターチェンジは、巨大な成田空港をよりスムーズに、よりダイナミックに動かすための「心臓部」の一部となるはずです。
進化し続ける成田空港の周辺環境。これからの数年、このエリアから目が離せません。
(写真:PIXTA、国土交通省)

鉄道チャンネル編集部
(旅と週末おでかけ!鉄道チャンネル)

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