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JR肥薩線に新たな観光列車、2033年度の運行開始へ! 熊本県が球磨川の車窓を楽しむコンセプト検討を開始、初期投資は約10億円

JR肥薩線復興アクションプランの観光列車のイメージ
JR肥薩線復興アクションプランで示された観光列車導入のイメージ(画像:国土交通省の資料より)

熊本県は、2020年7月の豪雨で運休が続くJR肥薩線の復旧後に走らせる新たな観光列車について、ブランドコンセプトと外観・内観のデザインイメージをつくる委託事業者を公募型プロポーザルで募りました。対象は沿線の八代市・人吉市・球磨村など11市町村です。
報道によると、車両の初期投資額は約10億円が想定され、新造または改造で用意する方向です。運行開始は、八代〜人吉間の復旧目標と同じ2033年度の見込みです。
この記事では、公募の内容、列車のコンセプト、運行開始までのスケジュールをご紹介します。

球磨川の絶景を走る新たな観光列車、コンセプトづくりが始まる

熊本県の発表によると、まずブランドコンセプトを3案作成し、観光客の動向や全国の観光列車のトレンドを調査します。その上で、外観・内観のデザインイメージイラストを作る手順です。八代市から人吉市、球磨村など11の市町村の特色を盛り込み、国内外へ発信する役割を担います。

「球磨川の雄大な自然を堪能」「地域の魅力との出会い」をテーマに、車窓を楽しめる大窓や、球磨焼酎・鮎弁当といったご当地グルメを味わえる空間も検討されています。くま川鉄道や肥薩おれんじ鉄道への直通も視野に入っており、県南エリア全体の観光をつなぐ列車を目指します。

JR肥薩線の新たな観光列車コンセプト検討業務(熊本県)【概要】
業務内容:ブランドコンセプト案の作成、外観・内観デザインのイメージイラスト作成
選定方法:公募型プロポーザル(企画提案書の提出期限は2026年7月10日(金)17時)
委託期間:契約締結日から2027年3月19日(金)まで
契約限度額:300万円(消費税・地方消費税を含む)
対象市町村:八代市、人吉市、芦北町、錦町、多良木町、湯前町、水上村、相良村、五木村、山江村、球磨村
最寄り駅:JR肥薩線 八代駅〜人吉駅間(2020年7月豪雨以降、運休中)

「乗ること」が旅の目的になる、SL人吉やかわせみ やませみの記憶

かつて肥薩線を走っていた「SL人吉」や「かわせみ やませみ」は、列車そのものが旅の目的地でした。
エメラルドグリーンに輝く球磨川に沿って走り、人吉温泉や国宝の青井阿蘇神社へ向かう道のりは、週末のおでかけの定番ルートとして親しまれてきました。

今回の「JR肥薩線復興アクションプラン」は、観光列車の導入だけではありません。人吉駅前に「SL人吉」の動態保存施設を整備する構想や、球磨川第一橋梁付近に「肥薩線ビュースポット」を設ける計画も盛り込まれています。列車を降りた後も、温泉街の散策や川床でのくつろぎ、広域でのサイクルツーリズムなど、沿線で楽しめる体験を増やす考えです。

肥薩線を走る観光列車SL人吉
かつて肥薩線を走った観光列車「SL人吉」。新たな観光列車は、この路線の復旧後に走らせる計画(画像:国土交通省の資料より)

復旧と運行開始までのスケジュール、費用の負担は協議中

肥薩線は、八代〜吉松間が2020年7月の豪雨で被災し、運休が続いています。このうち八代〜人吉間は、2033年度ごろの復旧が目標です。人吉〜吉松間は、復旧時期がまだ示されていません。
新たな観光列車は、県と沿線市町村、JR九州が費用の負担方法を協議したうえで、2027〜2028年度に車両の新造(または改造)工事を発注する予定です。運行開始は2033年度からの見込みです。

【新観光列車の想定スケジュール】
コンセプト検討:2026年度(委託期間は2027年3月19日まで)
費用負担の協議:県・沿線市町村・JR九州で実施
車両の発注:2027〜2028年度(新造または改造)
運行開始:2033年度から(見込み)
初期投資額:約10億円(想定)

復旧後を見据え、地域で支える「マイレール意識」も

JR肥薩線復興アクションプランの資料
肥薩線の復旧後を見据えた取り組みを示す資料(画像:国土交通省の資料より)

復旧後を見据えて、地域で鉄道を支える「マイレール意識」の醸成も進んでいます。「肥薩線サポーターズクラブ」が設立され、会員限定のイベントやクラウドファンディングを通じた応援の輪が広がっています。

【参考】2033年度目標に上下分離方式で鉄道復活 「JR肥薩線検討会議」で復旧方針決まる(熊本県人吉市など) https://tetsudo-ch.com/12999147.html (※2025年4月掲載)

観光利用と日常利用の両立も図られ、地元の人たちも気軽に乗れる「自由席」を併設するアイデアがあります。駅のワーキングスペース整備や駅前駐車場の拡充など、誰もが利用しやすい環境づくりも進める予定です。

2033年度の運行開始に向けて、まずはどんなコンセプトとデザインが示されるのかが注目点です。球磨川沿いの車窓を再び楽しめる日に向けて、肥薩線の動向を引き続きお伝えします。

鉄道チャンネル編集部
(旅とおでかけ!鉄道チャンネル)

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