鉄道コンテナの取扱個数に回復の兆し――。日本通運は5月2日、2016年度の鉄道コンテナ取扱い実績について公表。同社2016年度の鉄道コンテナ取扱個数実績190万4333個で、前年度実績192万3849個と比べ、前年比99.0%。伸長率はマイナス1.0%と伝えました。

同社の2016年度は、上半期がマイナス、下半期がプラスに。「上半期は、熊本地震や相次ぐ自然災害の影響もあり、取扱個数は91万2475個、前年比マイナス2.5%となりましたが、下半期は、トヨタ自動車の部品専用列車の増発や、アサヒビールとキリンビールの共同配送輸送が開始されたことにより、取扱個数99万1858個、前年比プラス0.4%。品目別では、自動車関連貨物が増送となったほか、化学工業品が前年を上回りました」。

業界のトラックドライバー不足が深刻化するなか、「清涼飲料水や食料工業品も堅調に推移するいっぽうで、8月末に発生した台風10号の影響を主因とする生野菜や、生産量が減少した紙・パルプ等が減送となりました」とも伝えています。

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2017年度鉄道コンテナ取扱目標個数は、200万個(対前年プラス5.0%)をめざすと同社。今年度のビジョンについて、こう伝えています。

「今後も、トラックドライバー不足や労働時間管理の厳格化など、社会環境の変化にともなうモーダルシフトのフォローの風をじゅうぶんに受け止め、拡販につなげていきます。加えて、鉄道コンテナ輸送だけに固執することなく、他モードとの組み合わせによるモーダルシフトも推進していきます」

また同社独自のクライアント支援システム「鉄道コンテナNAVI」に新機能を追加し、「他業者との差別化を打ち出すツールとして多様なサービスを提供します」とも伝えました。