京都太秦、山陰線の線路脇で見つけた至福
京都市右京区太秦一ノ井町。
「師走だなーぼくはキミといるときがいちばん師走なんだよ」
「もう師走かよ! はあ」
「かっこ加山雄三ふう」
「いいから! この仕事は11月末締めで頼むね」
午前中の仕事を終え、こんなアホ話を交わしながら、山陰線の高架まで歩く。
と、「四季折々の京野菜中心のおふくろの味」の文字。
おばんざい定食 500円
京ことばのおばちゃんが営む小さな茶屋は、山陰線の花園と太秦のちょうど中間あたり。
仕事中だっつーのに“禁断の昼ビール”。
丹波でとれた茄子に栗ご飯、味噌汁。
おばちゃんとのかけあい、冷たい風と青空……うまっ!
「これが500円かよ」
「マジすげえな」
山陰線 花園~太秦間は2007年に高架化され、この店のすぐ先にある踏切の音は消えた。
静かに上を走る221系を見ながら、おばちゃんの途切れず続く京ことばといっしょにもう一度、乾杯。
「ウチのゴハンがいちばんうまいと思ってっけどさ、ここはまた行きてーな」
「ぶっちゃけ京都のメシはこれからずっとココでいい。仕事抜きでもくる。マジで(グビッ)」
アホか……。