音威子府駅

鉄道で旅をする楽しみには様々なものがありますが、その一つが「駅そば」です。駅にある立ち食いのそば(通称「駅そば」)は早くて安くて学生時代から一方ならぬお世話になってきました。

昨今は系列のチェーン店が増えて、とお嘆きの貴兄に、って菊正みたいですが、とっておきの駅そばをご紹介したく一筆啓上します。

まず第一弾は、遠くて申し訳ないのですが「駅そば」ファンなら一度は食べてみたいJR北海道宗谷本線音威子府駅の「常磐軒」です。かつてはホーム上にお店があったそうですが、音威子府ですよ!どう考えても冬は超寒そうですよね。

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※写真は全て2015年3月20日現地で筆者が撮影したものです。情報もその時点のものです。

これがその蕎麦が主人公のポスターです。蕎麦が黒いのです!

常磐軒

この常磐軒の場合営業時間が朝9:30~16:30、水曜定休(以外にも臨時休業有)という条件があって、専ら青春18きっぷで北海道を旅する者にはハードルが高いのです。

一度音威子府に宿をとって翌日に稚内に向かったことがあるのですが6:22発の稚内行に乗らず開店の9:30を待つと次の稚内方面は13:55です。稚内到着が16:57なのでこれでは稚内で動きが取れませぬ。では稚内からの帰路に食べようとすると稚内発10:52で音威子府に到着13:06という列車しかありません。次は営業の終わった17:21になってしまうのです。しかし延々と青春18きっぷでやってきて最果ての稚内に滞在時間2時間弱は寂しいです。

そこで一計を案じて名寄に前泊する作戦をとりました。名寄から始発に乗って8:52には音威子府に到着しました。開店前の店の前に佇み期待で倒れそうになりながら待ちます。もちろん起床から水分以外は口にしていません。

常磐軒

9:20、名寄から乗って来たキハ54形が稚内に向けて出発。旧国鉄からJR北海道への置き土産で1986年に29両が作られたものです。温暖地仕様の兄弟がJR四国に12両います。この写真、3月20日撮影、寒いです。さあ、あと10分で開店・・・。

常磐軒

9:30!

開店時間です。行列(この日は同好の志がクルマでやってきた人を入れて6人ほどおりました)の先頭で小生はまずはプレーンな「かけそば」を頼みます。おばちゃんがサッと作って

常磐軒

サッと出てきます。熱々をふ〜ふ〜言いながらいただきます。空腹に染み渡る蕎麦の香り!黒い蕎麦に負けない様に、汁も濃いです。

常磐軒

一渡り行列の注文が片付いたのを見計らって2杯目は贅沢に「天玉そば」を奢ります。

常磐軒

一杯目で飢餓感から解放された小生は、余裕で「天玉そば」を味わいます。うーん美味しい。

常磐軒

行列を為していた方々もおもむろに二杯目いってます。

常磐軒

この後、常磐軒のおばちゃんは慌てて蕎麦の追加を携帯で頼んでました。この日は予想外の開店ラッシュだった様です。

どうです? 黒い蕎麦を食べに音威子府に行ってみたくなりませんか?

音威子府駅

美味しいですよー! また食べたくなってきました、が、ちょっと遠いなぁ。

(写真・記事/住田至朗)