【私鉄に乗ろう 54】岳南電車岳南線 その1
※この「私鉄に乗ろう」の写真は、筆者がプライベートな旅で撮影したものです。鉄道会社さんから許可をいただいていませんので、乗車券があれば誰でも入れる場所から、手持ちで撮影したスナップ写真です。ポケットに入るコンパクト・デジタルカメラ(SONY DSC-WX500)で撮影しています。2018年4月3日(火)の撮影です。
岳南鉄道の歴史
吉原は東海道の宿場町でしたが東海道本線は町外れの鈴川駅(現吉原駅)が設置されただけでした。戦後、吉原の中心部と東海道本線を結ぶ鉄道として戦前に貨物用に敷設された日産重工業(現・日産自動車)の専用線を利用して1949年(昭和24年)鈴川駅(現吉原駅)〜本吉原駅間が開業しました。1953年(昭和28年)には岳南江尾駅まで全通しています。岳南鉄道を支えていたのは貨物輸送で、最盛期には引込線と専用線の総延長が本線の総延長を上回っていたと言います。しかし、JR貨物も合理化で2012年(平成24年)以降の貨物輸送が休止され、岳南鉄道は経営が苦しくなり地元富士市の公的支援を受けています。2013年(平成25年)から鉄道路線の運営は子会社の岳南電車に移管されました。
岳南電車
起点のJR東海道本線吉原駅から終点の岳南江尾駅まで9.2kmに10駅があります。全線単線で電化(直流1500V)されています。朝夕は元京王電鉄3000系の岳南鉄道8000形電車(2両の固定編成)1編成も運行されますが、通常は同じく元京王電鉄3000系の岳南鉄道7000形が1両で運行されます。7000形は、京王電鉄時代の中間車両を京王重機整備で両運転台化しています。井の頭線時代に存在した行先表示器はありません。
東海道本線吉原駅に6時過ぎに到着。もちろん静岡に前泊したのでこの時間に来ることができたのですが。6:11発の岳南江尾行が停まっていました。
桜の季節だけの特別なラッピングが施されている様です。
時間が無かったので700円の1日フリー乗車券を購入。駅名標を撮ってから乗車しました。
7000形から前面展望。岳南電車は一番右の線路を進みます。貨物輸送時代のJR側線に繋がる分岐もあります。
しばらく東海道本線に沿って西に進みます。
右に折れて北上。
吉原駅から最初のジヤトコ前(ジヤトコ一地区前)までは岳南電車の駅間では最長の2.3kmで全区間の4分の1に当たります。まず新幹線と国道1号線のバイパスをくぐります。
右側にジヤトコ富士事業所が広がっています。
ジヤトコ前(ジヤトコ一地区前)駅。ホームの後がピンク色。かつては島式ホーム1面2線で列車交換が可能でした。
ホームの後に桜草が植えられています。岳南電車では乗降人員の最も少ない駅です。
駅名標。1949年(昭和24年)の開業から2005年(平成17年)までは日産前駅でした。日産自動車富士工場が1999年(平成11年)ジヤトコ(株)に営業譲渡されたことを受けて実態に合わせた駅名に改称されています。
では、次回【私鉄に乗ろう 54】岳南電車岳南線 その2 に続きます。
(写真・記事/住田至朗)