一般財団法人トヨタ・モビリティ基金(Toyota Mobility Foundation:TMF)は、地球環境や都市交通の課題に取り組む非営利団体ワールド・リソース・インスティチュート(本拠地ワシントンD.C.、World Resources Institute:WRI)と共に、地下鉄駅へのアクセス向上プロジェクトをインド6都市で展開。

2018年から2021年にかけ、地元政府、起業家、IT企業、市民などと連携し、ソリューションを手がける。

同プロジェクトの主な取り組みは、地下鉄駅へのアクセスに関する調査を行い問題・真因の特定、調査結果や他地域での事例等を共有するワークショップの開催、さまざまな立場の人たちが参加可能なアイデアコンテストの実施、ソリューションの試行、効果の検証、結果の共有など。

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この事例は、インド・カルナタカ州ベンガルールで地下鉄の利用増加を通じて交通渋滞緩和に寄与するために実施した、2016年12月からのプロジェクトを、他都市へ展開するもの。

ことしから毎年、州都などの大規模都市と中規模都市の2都市を選定し、2021年までに合計6都市にて、ベンガルールで得た学びと手法を他都市へ展開するプロジェクトを実施。

対象都市は、ITを活用した革新的なアイデアを得るため、IT企業や技術者が多いことや、地下鉄の利用拡大に向けた取り組みがあることなどを考慮し選定。本年度は、最初のプロジェクトとして、2018年6月から2019年1月まで、テランガーナ州の州都ハイデラバードでの実施が決定。

ハイデラバードは、IT中核都市として急速な経済発展を遂げ、渋滞の深刻化に直面。地元政府はその対策として、地下鉄などの公共交通機関の整備や利用促進に向けて活動中。

TMFの早川茂事務局長(兼トヨタ自動車取締役副会長)は、「ベンガルールにおける取り組みを他の都市からも評価いただき、プロジェクト実施の要請をいただいたことを大変光栄に思います。ベンガルールでのプロジェクトの学びを活かしながら、ハイデラバードにおいても、地元政府、IT企業、NPOなど様々なパートナーと協力しながら進めていきます」とコメント。

「大規模都市と、中規模都市といったタイプが異なる都市でのプロジェクトを通じて、インドにおける鉄道、地下鉄、自動車等、多様な交通手段が共存する最適なモビリティモデルを探求し、より良いモビリティ社会の実現に貢献していきたいと思います」(TMF早川茂事務局長)