IoTでベビーカーは変えられるか? ピジョンが大学対抗アイデアコンテストを開催

2019.03.27

赤ちゃんの興味を視覚・聴覚・嗅覚のセンサーで読み取る。

赤ちゃんが興味を示したときの景色や表情を画像認識。

交通系ICカードのチップを埋め込み交通インフラとして活用。

―――こうしたIoTを活用したアイデアで、ベビーカーは変えられるか?

総合育児用品メーカーとして60年以上の歴史をもつ ピジョン は、大学生を対象にしたアイデアコンテスト「ベビーカソン」(ベビーカー+ハッカソン)を初めて開催。

お茶の水女子大学、湘南工科大学、千葉工業大学、東京工業大学、日本大学の5大学が参戦し、IoTを活用した近未来ベビーカーをプレゼンテーション。その勝負の行方は……!?

第1回ベビーカソン優勝は東京工業大学

第1回ベビーカソンを制した東京工業大学は、「Osampo Go」というコンセプトを提案。

電車やバスのなかでは、ベビーカーをもつ親たちは「肩身がせまい」という思いがある。そんな悩みを、好きなときに、好きな場所で、好きな車種を借りて返せるベビーカーシェアリングで解消させる。

また、赤ちゃんの乗り心地とママ・パパの使い心地を測定するセンサーをベビーカーに設置。得られたデータをもとに、初めて来た場所でも安心できる「おさんぽマップ」をつくることを提案した。

ピジョン
https://www.pigeon.co.jp/

ピジョン山下茂社長「大切なのは想像力」

ピジョン 山下茂 社長は第1回ベビーカソン総評として、「子育ての経験があれば違う見方もできるのかもしれない。でも真に大切なのは想像力」と伝えた。

「どのチームも、使う人の視点に立って、どのようなものが便利なのかを意識していたのがよかった。今後も、そのイマジネーションをどんどんと磨いてほしい」

ピジョン開発本部大口将利氏「シェアリングで新しい価値を」

また、ピジョン 開発本部 大口将利氏は、「どのアイデアも甲乙付けがたいプレゼンテーション」と、選考に苦慮したことを告げ、こう評価した。

「機能だけではなくて、そもそものベビーカーの目的や価値に着眼されていたことがすばらしい」

「とくに、最優秀賞を受賞した東京工業大学のアイデアは、メーカーにとってシェアリングは脅威といわれるなか、それによって新しい価値を生み出すという考え方は、ぜひ参考にしたい」

ゲスト審査員 IoTNEWS小泉耕二代表「ユーザ視点のアイデアがすばらしい」

ゲスト審査員の IoTNEWS 小泉耕二代表は、「IoTなど最先端のテクノロジーを活用するとなると、どうしても技術を研ぎ澄ますことに走りがち」と伝えながら、こう総評した。

「しかし、今回の学生さんはみんな、ママやパパ、赤ちゃんの視点に立ったアイデアがすばらしい」

「学生にとって、こういう機会を得たことはとても貴重。ぜひ、みなさんには新しい社会をつくっていってもらいたいと願っている」

ゲスト審査員 藤本美貴「男性もいっしょに育児を考えられる」

また、同じくゲスト審査員を務めたタレントの藤本美貴は、「子育てしていても気づかないこととか、浮かばないアイデアがたくさんあった」と。

「それを考えたのが学生ということに、とても関心した。最近では「イクメン」という言葉もあるけど、男性もいっしょに育児を考えられるこういう機会は、とても大切。このベビーカソン、毎年やってほしい」

ほか4大学の近未来ベビーカーのアイデアはこうだ!

◆お茶の水女子大学
「BABY WALK お散歩をもっと楽しく・もっと快適に」
楽しく快適な子育ての鍵は「散歩」にあるという分析。それをもとに、常に赤ちゃんのようすを確認できる仕組みと、赤ちゃんの表情や視線から関心の対象と心地良いベビーカーの揺れを認識し、データ収集することでお散歩コースを推薦してくれる機能を提案。

◆湘南工科大学
「B-i(ベビーインタレスト)」
興味発見・深める・つながる
独自で行った行動分析から、親と赤ちゃんの課題を抽出。赤ちゃんの興味を視覚・聴覚・嗅覚のセンサーで読み取り、親に共有することで赤ちゃんと親の新しいつながりを生み出すシステムを考案。3DCGでベビーカーのイメージも制作。

◆千葉工業大学
「Cue(キュー)親が「子供の興味を考える」きっかけになるベビーカー」
どこへ連れて行けば子どもが喜ぶか? 子どものためになるか?という外出に関する親の悩みに着目。赤ちゃんが興味を示したときの景色や表情を自動で撮影。その写真をアプリ内で整理できる仕組みをつくることで、赤ちゃんが何に興味を持ったのかを考えるきっかけをつくり、成長の過程を家族で共有できるようにした。

◆日本大学
「PAASHII ベビーカーがつくるミライ」
ベビーカーを、個人で所有するもの、赤ちゃんだけが使うもの、運搬に使うものだけではなく、公共交通インフラとして、誰もが使え、メディアとして機能させる仕組みを、データ集積機能やセンサー、デバイスを活用することで構築。それによって、街中や交通機関など日常の様々なシーンにおける課題が解消した社会の未来像を示した。

こちらの記事もオススメです