隧道を3つ抜けて80パーミルの勾配を下ってゆくと

箱根湯本駅前が見えてきます。

ここも80パーミル。

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箱根湯本駅に到着。強羅駅からは33分でした。

左側が普段は使われない臨時4番ホーム。この線路の先で三線軌条になって入生田駅の検車区・車庫に繋がっています。

通常使われる3番ホームの終端部。「またのお越しを。」の周囲にはアジサイが描かれています。

これで箱根登山鉄道の鉄道旅は終了します。

反省点は、箱根湯本に着いた時点で昼近かったし、ケーブルカーの早雲山まで往復して、80パーミルと急カーブで些か草臥れたこともあって、そのまま帰宅してしまったことです。帰路、入生田駅で降りて検車区の写真を撮っていたら、雨が降り出したので完璧に撮影を諦めました。

しかし、今回書いてしみじみ分かったことは「往路、まず前に乗って前面展望を撮り、再び箱根湯本まで戻って、今度は後方に坐って残りの前面展望を撮るやり方の方が、もう少し分かり易い内容で書けたのではないか」というコトです。

いずれにしても一年中混んでいる登山鉄道の上りを撮るには、もっと早い時刻に箱根湯本から乗ることが必要だと感じました。2016年9月は友人たちと箱根湯本の旅館に泊まった翌朝、早い時間に登山鉄道に乗ったので、混雑がマシだったのです。

最後に2016年9月に撮った写真を数点ご覧ください。

2017年(平成29年)2月で営業運転を終了したモハ2形110号。千葉県いすみ市の「ポッポの丘」に搬入され2018年(平成30年)3月末まで期間限定で公開されました。その後は埼玉県のほしあい眼科に引き取られました。ほしあい眼科の星合先生は鉄道チャンネルにも出演いただいたことがあります。有名な鉄道車両コレクターです。というか個人で鉄道車両をコレクションしているのはこの先生だけじゃないでしょうか。

※2016年9月撮影

モハ109号は2019年に車輪交換が実施され、「箱根湯本・強羅間開業100周年記念企画」で昭和初期、創業当時の塗装に復刻塗装されて現在も営業運転されています。みたいなぁ。

※2016年9月撮影

2018年に引退したロマンスカー7000形LSE。1982年(昭和57年)JR東北本線大船〜熱海間での国鉄による試験走行を行ったことでも有名な車両。最高速度は130km/hで実施されました。

※2016年9月撮影

以上で箱根登山鉄道の旅はお仕舞いです。

追記:

このコラムは、2019年9月に書かれたものです。御存知の様に、2019年10月12日に関東から東北に上陸した大型で強力な台風19号は、関東甲信越と東北地方に甚大な災害をもたらしました。台風によって亡くなられた方々のご冥福をお祈り申し上げます。被災された皆様にお見舞い申し上げます。

また台風19号は箱根登山鉄道にも甚大な被害をもたらしました。箱根周辺では、1,000ミリを越える前代未聞の雨量が記録されたのです。ニュース映像などを見る限りでは路盤や橋梁などの被害は凄まじい状態です。長い歴史と風雪に耐えてきた箱根登山鉄道が箱根湯本駅と強羅駅間で運休という事態になっています。現在は代行バスが運行されています。幸い箱根登山ケーブルカーは10月16日から運行が再開されています。

被害に遭われた箱根登山鉄道にお見舞い申し上げるとともに、一日も早い復旧を心からお祈りいたします。

また復旧などの情報も随時。お知らせいたします。

(写真・記事/住田至朗)