これはトンネルではないし、落石避けでしょうか?

笑ってしまいますが、やはり同じ場所を逆方向から撮っていました。

※2016年11月撮影

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綾里トンネルを含め複数のトンネルを抜けて、綾里(りょうり)の市街が見えました。

陸前赤崎駅から5.4kmで綾里駅。跨線橋が目立ちます。

相対式ホーム2面2線、旧南リアス線区間では唯一列車交換が可能な駅。上りホーム側に立派なドーム状の駅舎があります。三陸鉄道の南リアス線部分で相対式ホームはこの駅だけ。ということは残りの交換可能な駅は全て島式ホーム1面2線ということ?

駅名標。1970年(昭和45年)国鉄盛線の終着駅として開業。1973年(昭和48年)吉浜駅まで延伸されて途中駅になります。1984年(昭和59年)三陸鉄道に転換。2011年3月東日本大震災で不通になり営業休止。2013年(平成25年)南リアス線盛〜吉浜間復旧に伴い再開しました。

綾里(りょうり)駅なので綾姫(あやひめ)の里。この地に機織(はたお)りを伝えた綾姫伝説に由来する駅の愛称です。綾(あや)の音読みは呉音の「りょう」です。唐音は「りん」なので「綾子(りんず)」という難しい読みの織物名もあります。個人的には「あやのさと」と読んだ方がいいと思いますけどね。

交換する列車を待つ間にホームに出て、久慈行列車と特徴的な駅舎を撮影しました。綾里駅は海から1km以上離れています。綾里湾の津波は23.8mの高さがありましたが駅は無事でよかった。

上り列車が来ました。1両です。36-702はクウェート国からの支援で導入された車両なので前面左にクウェート国章が付いています。

列車交換を行って出発。大久保トンネル(105m)。勾配標は登り14パーミル。

第一白浜トンネル(70m)。トンネル坑口の表示で距離が読み取れるのがいいです。

鹿島臨海鉄道大洗鹿島線では航空写真を拡大して跨線橋の数を数えましたが、まさか三陸鉄道リアス線でトンネルの数は数得られません。全てのトンネルの坑口を撮影していれば数えることも可能ですが・・・。それは無理ですね。幸い三陸鉄道運行本部長さんの文章に「トンネル数は62、橋梁などは196もあります」とありました。

2019年10月12日から13日にかけて関東・東北を直撃した超大型台風19号のもたらした災害で三陸鉄道リアス線の釜石駅以北久慈駅までの路盤が大きく損傷を受けてしまいました。被災現場までアクセスする道路が不通になっているために被災状況の確認もできず、このコラムを書いている10月14日時点では復旧の目処は全くたっていないという三陸鉄道さんの発表でした。このコラムがネットにアップされるのは2020年1月7日の予定です。その後の復旧については順次、コラムの中でも取り上げます。

次のトンネルは、【私鉄に乗ろう98】三陸鉄道リアス線その4 でご覧ください。

(写真・記事/住田至朗)