恋し浜駅から2.3kmで甫嶺駅。コンクリートで固められた築堤が震災後の復旧なのか、補強なのか。

単式ホームのシンプルな駅。2011年の東日本大震災時にも駅・ホームは大丈夫だった様です。しかし、駅の北側の築堤とレールが津波の被害にあって2013年4月の盛〜吉浜復旧で営業再開。正面にはトンネルが見えています。

駅を西に向かって山を越えるとちょうど盛駅や大船渡方面になります。

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甫嶺川の水門と防波堤。駅から海までは100m程です。津波に駅とホームが無事だったというのが奇跡の様な近さです。2016年11月に来た時、甫嶺川の水門は完成に近い形でしたが、防波堤はまだありませんでした。

2019年4月には防波堤の工事も完了していました。

駅名標。1973年(昭和48年)旧国鉄盛線綾里駅〜吉浜駅(12.5km)延伸開業時に駅が作られました。駅の西側というか盛駅との間にある今出山(756m)がかつては金山として有名だったことに因んで駅の愛称は「金のしずく」です。

2016年11月の駅名標。東日本大震災の時は三陸鉄道の築堤が防波堤の役目をして山側の家々を守ったそうです。

※2016年11月撮影

甫嶺トンネル(745m)。

甫嶺の次に狭い平地が広がる泊も巨大防波堤で海と隔てられています。築堤も地震後の新しいものでしょう。

2016年11月にはまだ工事中でした。全く余計なお世話ですが、人家が10軒ほどしかない泊地区のために、海の景観を破壊してそびえる水門と防波堤はいささかオーバークオリティーの様に見えます。住民の方々の安全が最重要であることは言うまでもないことですが、ここまで本当に必要なのかな。費用は結果的には私たち国民から集めた税金で支払われるのです。

泊トンネル(250m)62あるトンネルのいくつ目でしょうか。

トンネルを抜けると三陸エリアが広がります。ここには漁港と広い平地があります。

甫嶺駅から2.7kmで三陸駅。島式ホーム1面2線。

2016年に来た時も盛んに復旧工事をしていましたが、3年経ってもペースは変わらない印象でした。印象的には更地が増えていくばかりです。

三陸鉄道が通っている場所よりも北側の高い所に新しい町が作られている様なので、駅の周辺は海側に向かって、むしろ閑散としています。三陸駅は例外的に北側の高台にあって海側に旧市街地が広がっていたのです。

【私鉄に乗ろう98】三陸鉄道リアス線その6 に続きます。

(写真・記事/住田至朗)