HD300-12
新しいコラムを始めるに当たって幾つか説明をします。このコラムの筆者はシンプルに「鉄道に乗ること」が好きな、所謂「乗り鉄」です。

言い換えれば「撮り鉄」ではないので車両の写真を撮るためにカメラを持って最適なカメラ位置を探す様な丁寧な作業はしていません。たまたま乗っていた車両や通過する駅をポケットに入れているコンデジ(コンパクト・デジタルカメラ)で撮っているだけです。

故に「一瞥」(いちべつ、チラッと見ること)なのです。

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それでも勤め人を退職しやっと閑人になって10年近く、青春18きっぷなどで心ゆくまでノンビリと全国を各駅停車で旅してきました。その旅で見かけたちょっと珍しいもの、今はもう見る事のできなくなったものなど思いつくままに紹介してみようと思います。

予め準備をして出かけていったワケではありません。「あれっ?」と思った瞬間にシャッターを押したものなのでちょっとブレていたりピンが甘かったりもしますが御容赦ください。

ご覧頂いて、「ふーん」と思っていただければ幸甚です。

さて第一回は2016年11月、先日郡山駅で見かけたJR貨物のハイブリッド機関車HD300-12です。

HD300-12

HD300は国鉄から継承されたDE10形ディーゼルカーが経年50に近づき老朽化が進んでいるためにこれを代替するために開発された新世代の機関車です。試作機のHD300-901は2012年鉄道友の会ローレル賞を受賞しました。

DE10形ディーゼル機関車は1966年(昭和41年)から1978年(昭和53年)までに708両が作られ全国で蒸気機関車に代わり動力近代化の一翼を担った傑作機でした。

HD300形はディーゼルで発電した電気(と回生ブレーキで発電された電気をリチウムイオン・バッテリーに溜めた電気など)で走る自家発電電車です。そのため形式記号はディーゼルカーを表すDや蓄電池式機関車のAではなくハイブリッド(Hybrid)のHが初めて採用されています。

現在HD300形は17機(901、1-16)が本州エリアの貨物ターミナル駅(東京、新座、越谷、盛岡、宇都宮、吹田)と隅田川、新鶴見機関区、八王子、南松本、郡山、沼津の各駅に配置されています。北海道の札幌貨物ターミナルにも3機(501ー503)が稼働しています。しかしHD300形は制作費が非常に高価なため(本線用電気機関車と同額程度)20機が作られ配置された後は作られていないのが現状です。

今回筆者が一瞥したのは郡山駅でした。

※写真は筆者が2016年11月に撮影したものです

(写真・記事/住田至朗)