廃墟となった病院にはいると鼻につく消毒液のにおい。煤けた扉とホコリを被ったポスター。切れかけちらつく電球の下で順番に案内を待つ―――。

その時点で「やっぱりやめときゃよかった」と後悔する……。

富士急ハイランド(山梨県富士吉田市)は、世界最大級のホラーアトラクション「絶凶・戦慄迷宮」をさらに進化させた「絶凶・戦慄迷宮~収容病棟篇~」をオープンした。

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舞台は、患者に惨い人体実験を繰り返し、監禁した「収容病棟」が存在した廃病院。

暴れる患者から、生きたまま内臓を取り出した手術室、生まれたばかりの赤ん坊をも手にかけた新生児室……凄惨な事件が起きた数々の部屋を通り抜けた先に、見つかった地下空間。

疑心暗鬼で精神が崩壊していく……体験者が語る

(ここからは体験者の話)
血痕だらけの白衣を着た女性に、狭い診察室に入るよう、ひと組ずつ促され、そっと扉を閉める。そこからスタート。

診察室は6室あり、そこでは、そのむかし、この病院で行われたらしい凄惨な映像が流される。6室すべて違う映像が流れので、複数回訪れても違う映像に遭遇する。

そのあと、ひと組ずつ懐中電灯を渡され、さらに、病室の奥へとすすんでいく。

行く先々、まっくら。懐中電灯なんか役に立たないレベル。前、後ろ、横、上、下……全方位で注意。

まるで本当の廃墟のよう。細かなディティールがリアルすぎて怖さ倍増。

あそこの死体は人形なのか、人間なのか? 疑心暗鬼で精神が崩壊していくのを自覚する。

震えるほどの寂しさと静けさのなか、突如おとずれる、飛び上がってしまうような仕掛けの数々。
ときに焼け付くような熱さや、凍えそうなくらい冷たい部屋を通らなければ、出口にはたどり着けない。

大人数のグループで行けば、この怖さに打ち勝てるかも。あと、カップルにもおすすめ。ふたりの距離が縮まること間違いなし。

彼氏はくれぐれも彼女をおいて先に行ったりしないで。でも怖いからって立ちすくんでいると後ろからまた……。

絶凶・戦慄迷宮~収容病棟篇~の怖さ

―――息絶えた患者を保管した死体安置室では、異様なまでの冷たい空気が流れ、亡骸を焼いた焼却炉では、どこからともなく灼熱の熱風と鼻をつく焦げ臭さが充満。

いまもなおそれが行われているかのような、人体実験の末の最期の体験と感覚が、人間の本能に訴える。

最奥部には、患者が逃げられないように縦横無尽に張り巡らされた鉄格子の部屋。

無間に広がる迷路のような空間は、二度とここから出られないという不安。

いつどこから無惨な死を遂げた患者の亡霊たちに襲われるかわからない、恐怖……。

―――取材陣が訪れたときも、泣きじゃくる女性のリアルな姿を目の当たりにした……。
 
 
絶凶・戦慄迷宮~収容病棟篇~
https://www.fujiq.jp/attraction/senritsu.html