女子車いすテニス 高室冴綺_まっすぐ加速し力強いプレー、仕事仲間といっしょに東京2020めざす
「もっともっとストレートな応援、ダイレクトに声をかけてもらうと、すぐに闘争心やチャレンジ精神がわいてくるんです」
そう笑うのは、女子車いすテニス JWTA国内ランキング2位 高室冴綺(たかむろさき)。
高室は8月12日、 丸ビル・丸の内仲通り・丸の内オアゾなどで開催中の参加型スポーツイベント「Marunouchi Sports Fes 2019」にゲスト登壇。1年後の東京オリンピック・パラリンピックにむけて、いまの気持ちや意気込みを語ってくれた。
―――1995年、東京都中央区生まれの24歳。スポーツが得意だった彼女は、高校2年生ごろまで男子にまじってサッカーやバスケットボールに夢中になる女子だった。が、先天性疾患により歩けなくなり、車いす生活へ。
その後、上地結衣選手の活躍に衝撃を受け、車いすテニスの世界へ飛び込む。と、もともと持っている運動性能が開花しあっという間に国内ランキング2位まで上りつめた。
いま彼女が見すえるのはただ一点。東京2020大会。そこには「もう1年しかない、でもあと1年ある。という複雑な気持ちがあり、まだまだ自分を進化させなければならない」と意気込む。
「国内ランキングは正直、関係ないです。まず国際ランキングを上げていかないと。いま週5日、1日5時間練習してるけど、まだまだ自分の可能性を信じて、もっともっと成長していきたい」
真正面から応援してほしい、もっと真に受けて!
そんな彼女を、コートに立つとき、コートの外にいるとき、支えているのがスタートライン。彼女が社員として働く、障がい者雇用支援の会社だ。
「わたしが入社した当初は、まだ規模が小さな会社で、とってもアットホームな雰囲気でした。いまもそんな社風は変わらず、会社の規模も大きくなっても『この会社にいてよかった』と感じるのは、障がい者と健常者の別け隔てがなくて、誰も同じひとりの社員として接してくれるところです」
「障がい者、健常者という自覚がなく、自分の動きに制限は感じるけど、助けてもらいたいことをストレートに、自然にいえる環境にいることがうれしいですね」
―――彼女はまっすぐこちらを見つめ、少しの迷いもなく語り続ける。
たとえば、彼女が「ストレートに応援してくれると、がんばらなきゃ!って力がわいてくるんです」という言葉に、つい「でも応援する側もどこかに照れがあるというか……」と返すと、彼女は笑いながらこう教えてくれた。
「照れないで真正面から応援してほしい。こういう言葉をもっと真に受けてください!」
そんな彼女に、じゃあいまの課題は? と聞くと「メンタル面の強化」と即答。そこにも、いまの彼女を支えてくれるのは、家族であり所属する会社の存在が大きい。
「自分の力でメンタルを強くしていくのはもちろん、仕事をしながら、会社の仲間たちといっしょに過ごしながら、強い気持ちをもっともっと身につけていきたいですね」
―――東京2020大会にむけて加速し始めた高室冴綺。彼女は終わりにこんなことを語っていた。
「障害があってもなくても、力強いプレーができる自分でいたい。みんなから応援をもらいながら、力強いプレーをみせて結果を残して、またみんなにチカラをわけてあげることができれば」
スタートライン
https://start-line.jp/
アクセス性と独自アプローチ
三菱地所とスタートラインが描く「都心発、障がい者支援施設」のトレンド
https://tetsudo-ch.com/3134355.html
写真 記事:tokyochips編集部