※2014年7月撮影

トップ画像は、岩館駅に停まるキハ40 529。2014年7月に撮った写真です。

五所川原駅の東側に津軽鉄道の津軽五所川原駅があります。津軽鉄道津軽21形気動車。写真では見えませんがお馴染み「走れメロス」のヘッドマークが付いています。ボディサイドのグリーンラインにも「走れメロス」と描かれています。

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旧国鉄時代に新型気動車として系列合計で1100台以上が製造された国鉄キハ20系気動車がボロボロの状態で置いてあります。キハ20 22027。1989年(平成元年)にJR東日本から譲渡された車両です。元は秋田内陸縦貫鉄道転換時の1986年(昭和61年)に旧国鉄から貸与されました。1988年(昭和63年)の秋田内陸縦貫鉄道全線開通時にAN8800形が導入されたことにより返還され、翌年津軽鉄道にやってきました。1992年(平成4年)にワンマン化改造されています。既に廃車されていますが、五所川原駅を通る度に眼にします。大阪生まれ、東京育ちの筆者はキハ20系に乗った記憶がほとんどありませんが、ディーゼル・エンジンを2台積んだ勾配に強いキハ52にはJR西日本大糸線で、定期運用終了前ギリギリに乗ることができました。

五所川原駅を出た車両は大きく左にカーブして西に向かった後、岩木川を渡ります。

国道101号線(五所川原西バオパス)が上を通っています。

駅予告票。農地に面した駅です。

五所川原駅から6.2kmという長い駅間で木造(きづくり)駅。線形から、元相対式ホーム2面2線だったことが分かります。左側に側線として上り線が残っています。ホーム跡はありません。

というか、駅舎に巨大なモノが付いています。駅の写真などでホントに巨大な遮光器土偶が設置されているのを見たことがあります。地元では「シャコちゃん」と呼ばれている由。遮光とは文字通り光を遮る物体を眼に付けた土偶であることからその様に呼ばれています。コンクリート製で鉄筋コンクリートの駅舎に付けられています。

真横から見ると駅舎正面だけではなく裏側にも土偶像があってビックリします。アップで見るとその「奇妙さ」が強烈ですね~。かつては列車の発着に合わせて土偶の眼が点滅していたそうですが「子供が怖がる」という理由で自粛されているそうです。う~ん、確かに、びみょ~。

単式でシンプルなホームに対して駅舎が大きいです。

ホームから駅舎を撮っていますが裏側の土偶は写っていません。残念。

駅名標。1924年(大正13年)開業。現行の駅舎は、1992年(平成4年)「木造ふれ愛センター」との合築。バブル期の「ふるさと創生事業」で政府がばらまいた1億円で駅舎に取り付けられたものです。巨大な1億円の土偶に関する個人的な感想は差し控えます。旧木造駅舎が見たかったことは付け加えておきます。

どこかしら辺鄙な場所に駅がある様な気がしたので航空写真で見ると、木造の町の最も南端に駅がありました。ホントに町はずれなのです。駅が開業してからもうすぐ100年が経とうとしていますが、町の発展に鉄道は関係なかったのですね。

日本海に向かって西に進みます。

余談。以前に来た時に木造駅の近くでねぶたの屋台を作っていました。人混みが苦手なので祭、特に観光客であふれかえるねぶた祭に興味はありませんが、流石、津軽だなぁ、と感心した覚えがあります。

(写真・記事/住田至朗)