トップ画像は仲ノ町車庫に駐まる車両。右の2000形2001の先頭に「お化け」が立っています。夜見たら怖い?昼間でも無気味です。(笑)

雨の中、仲ノ町得に向かっていますが、銚子電鉄の歴史を知らないコトに気付きました。簡単にお勉強しておきます。

銚子電気鉄道株式会社は、1913年(大正2年)に設立された銚子遊覧鉄道株式会社が同年に銚子~犬吠埼間に鉄道を開通させたことがベースになっています。銚子遊覧鉄道は開業以来の赤字に苦しみ1917年(大正6年)には会社を解散して鉄道も廃止されます。

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廃止された鉄道路線を復活させようと銚子遊覧鉄道の関係者が1922年(大正11年)に銚子鉄道を設立、1923年(大正12年)犬吠埼駅から外川駅までを延伸させて開業しました。これが銚子電鉄の始まりとなります。

1945年(昭和20年)の銚子空襲で車庫・変電所が焼失、銚子電鉄は長期運休となりました。国鉄から蒸気機関車を借りて仮営業。電車の運転再開は1946年6月でした。

1948年(昭和23年)企業再建整備法で銚子電気鉄道を設立。銚子鉄道は新会社に資産を譲渡して解散しました。

その後銚子電鉄は、京成電鉄系の千葉交通傘下になりましたが、1990年(平成2年)に経営権が内野屋工務店に移ります。しかしバブル期のゴルフ場開発失敗で内野屋工務店が自己破産してしまいます。銚子電鉄は経営危機に直面しますが銚子市が支援継続を表明。

この後、繰り返された経営危機については省略しますが、2006年(平成18年)には車両の法定検査費用が資金不足でできない事態に陥りました。「電車修理代を稼がなくちゃ、いけないんです。」という有名な言葉で、自社製造・販売の「ぬれ煎餅」を購入してもらった支援で車両の法定検査はクリアされましたが、その後も老朽化した設備の維持など問題が山積。「銚子電鉄サポーターズ」などの支援で経営を維持しています。2018年(平成30年)には「ぬれ煎餅」に続く自社開発商品「まずい棒」を発売しました。

まぁ、極端な言い方をすれば「ぬれ煎餅販売」で経営を維持し、どうにかこーにか鉄道を運行している会社、ということになります。でも銚子電鉄に乗る度に感じるのは、銚子電鉄の人たちが銚子電鉄を愛していることです。

何しろ銚子電鉄の顧問税理士から銚子電鉄の社長になってしまったという竹本さんは甲種動力車操縦者運転免許、つまり運転士の資格をとって実際に運転しちゃうという凄い社長さんなんです。

銚子電鉄線はJR銚子駅から外川駅間の6.4km。10の駅があります。全線単線、直流600Vで電化されています。運転最高速度は、40km/h。

JR銚子駅の島式ホーム2番線の東側に切り欠きホームがあって、そこが銚子電鉄の銚子駅になっています。JRの総武本線、成田線から直接乗り換えできますが銚子電鉄はSuicaなどのICカードは使えないので手前でSuicaの出場処理ができる様になっています。左の2番線にJR総武本線の電車が停まっています。

※2019年1月撮影

銚子電鉄の銚子駅。手前の奇妙な塔にはかつてオランダ風の風車が付いて、電動で回転していました。ずいぶん前に羽根は壊れて撤去されています。2018年6月に改修されてキレイになりました。

※2019年1月撮影

それ以前、2012年8月の写真です。手前の風車の塔は下半分が全体同じ仕上げで、背後の駅舎も上部は茶色で仕上げられていました。元の写真が縦なので画像を加工してあります。

※2012年8月撮影

同じタイミングで銚子電鉄側からJRホームを見た写真。JRに乗る為のSuica入場ができる様になっていました。

※2012年8月撮影

2番線ホーム東端の切り欠きが銚子電鉄ホーム。2000形2002編成電車が今は見ることのできない塗装で入線してきました。これも元写真が縦。

※2012年8月撮影

外川駅側は当時のイオン銚子ショッピングセンター(現・イオンモール銚子)の広告ラッピング電車です。正面、見た目は懐かしい京王5000系電車に見えます。この塗装は京王線・井の頭線沿線で育った筆者には懐かしいので、また登場します。

※2012年8月撮影

これは銚子駅に到着した銚子電鉄3000形電車。元々は京王電鉄5100系です。伊予鉄道を経て2016年(平成28年)から営業運転されています。

※2018年1月撮影

現在、銚子電鉄で営業運転しているのは上記の2000形2編成4両と3000形1編成2両です。

では銚子駅を離れて雨の仲ノ町得に行きましょう。

雨の銚子電鉄3【50代から始めた鉄道趣味】181に続きます。

(写真・記事/住田至朗)