EMotロゴマーク 画像:小田急電鉄

小田急電鉄株式会社はオープンな共通データ基盤「MaaS Japan」を活用したMaaSアプリ「EMot(エモット)」を2019年10月末にサービスインし、同日よりアプリが有する機能に関する実証実験を開始します。

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EMot(エモット)はユーザーの日々の行動の利便性を高め、新しい生活スタイルや観光の楽しみ方を提案するアプリ。名称にはモビリティサービスによる移動(Mobility)や生活サービスを利用する日常において新たな体験と感動(Emotion)を提供していきたいという想いがこめられています。Youtubeの小田急電鉄公式チャンネル「OdakyuMovie」では、10月7日にコンセプトムービーが公開されました。

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サービス開始時点では「複合経路検索」「電子チケットの発行」の2つの機能が利用できます。「複合経路検索」は鉄道やバス、タクシー、シェアサイクルなどを含めた経路検索ができるほか、検索結果から連携サイトへ遷移して乗り物の予約決済も可能。「電子チケットの発行」は「箱根フリーパス」をはじめとした企画券や飲食チケットが購入できるというもの。

将来的にはこれらの機能に更に独自サービスをくわえ、有効性などを検証していくとのことです。実証実験の詳細は以下「観光型MaaSの実証実験」「郊外型MaaSの実証実験」「MaaS×生活サービスの実証実験」(飲食サブスク)をご確認ください。なお、観光型、郊外型それぞれのMaaS実証実験については、国土交通省の新モビリティサービス推進事業「先行モデル事業」の「神奈川県における郊外・観光一体型MaaS実証実験」として、神奈川県、川崎市、箱根町と連携して実施します。

MaaS実証実験、飲食サブスクは新宿と新百合が対象

小田急電鉄は「EMot」を使用したMaaS実証実験を2019年10月末の配信日から2020年3月10日(火)(予定)まで実施します。正式なアプリ配信日、実験開始日などはサービス紹介サイト(https://www.emot.jp)にて改めて告知するとのこと。

<観光型MaaSの実証実験>では、箱根エリアをより便利に、快適に楽しめる「デジタル箱根フリーパス」を発行。駅や旅行代理店に寄らずともアプリ内のチケットストアで「箱根フリーパス」を購入し、駅係員などへスマートフォンの画面を提示するだけで利用できます。スマートフォン上の地図にはお得な割引優待対象施設と使用者の現在地を同時に表示できるので、より快適に箱根エリアを周遊できます。

<郊外型MaaSの実証実験>では小田急線新百合ヶ丘駅を中心としたエリアで、自家用車から公共交通機関へシフトするためのライフスタイルを提供。今回の実証実験では「新百合ヶ丘エルミロード」にて一定金額以上を購入されたお客様を対象に、新百合ヶ丘駅から自宅最寄りのバス停までのバス無料乗車チケットを配布します。

<MaaS×生活サービスの実証実験>は小田急線新宿駅および新百合ヶ丘駅の利用者向けのサービス実験。アプリ内のチケットストアで電子チケット(飲食サブスク)を購入すると、両駅構内にある「おだむすび」「箱根そば」「HOKUO」のいずれかの店舗で1日1回利用できるサービスチケットを定額で販売します。

10月8日時点では、「10日チケット」は有効期間30日のうち10日分使えて3,500円、「30日チケット」は有効期間30日で毎日使えて7,800円。「EMot」のサービス紹介サイトを確認したところ、どうやら提供メニューが限られているようで、上手く使い切るとギリギリお得くらいにおさまりそうです。新宿と新百合以外でもサブスクが使えるようになったら使ってみたいですね。

また、このほかにも連携する遠州鉄道株式会社が発行する浜松を中心とした静岡県西部エリアの「遠鉄ぶらりきっぷ」や「HAMANAKO RAIL PASS」等6つの企画乗車券をアプリ内のチケットストアで購入できます。小田急は今後、JR九州との連携による実証実験を検討しています。

鉄道チャンネル編集部