路面電車は車両を見るのも楽しみです【私鉄に乗ろう100】函館市電04
トップ画像は、函館市交通局2000形電車。1993年(平成5年)に函館市電としては27年ぶりに登場した新車。函館市電初のVVVFインバーター制御でカルダン駆動車両です。2001と2002の2両がアルナ工機で作られました。車体デザインは、800形電車の車体更新車両8000形をベースにしています。
千代台停留場の正面には中央病院がありますが、市電はその前を左にカーブします。ほぼ真北に向かう感じになります。
カーブの先に中央病院前停留場。千代台停留場から300m。
停留場は2016年(平成28年)に全面的に改築されて千代台停留場と同じスタイルです。ホームとバリアフリーの部分にロードヒーティングが付いていて雪が溶ける様になっています。千代台停留場は手前の電柱で停留場名が見えなかったのですね。中央病院前と読めます。函館中央病院の前です。
道路案内標識を見ると直進は五稜郭公園、湯の川は右(県道83号線)となっています。市電の線路も右に曲がっている様に見えます。
やはり右にカーブします。
・・・曲がった途端に停留場。何となく予測はしていますが、素人カメラマンにはなかなか対応が難しいです。中央病院前停留場から300m。五稜郭公園前停留場。ホーム上屋がユニークな形です。1913年(大正2年)五稜郭駅として開業しました。1949年(昭和24年)五稜郭公園前停留場に改称。2015年(平成27年)まで相対式ホームでしたが改築された際に現在の千鳥式配置になっています。
対向ホームには、函館市交通局8000形電車。元は800形電車ですが1990年(平成2年)から車体をアルナ工機で更新したものです。8001号から8010号まで10両が稼働する700形と並ぶ函館市電の主力車両です。車体は新しくなっても吊り掛け駆動式なので懐かしい路面電車(チンチン電車)の音がします。電車の手前に渡り線があります。
この後も他の停留場で何度か目にしたのですが函館市企業局の方2人が掲示板の掲出物を貼り替えていました。最初は救急車にしちゃ地味だし、パトカーにも見えないし、と思ったらボディに「函館市企業局」と描かれていました。この後でも登場します。
ここからは終点の湯の川停留場の手前で少しカーブするまで基本的に真っ直ぐ東に進みます。
五稜郭公園前停留場から600mで杉並町停留場。右手側に不思議な三角形の交差点を挟んでいるので千鳥式ホームがずいぶん離れています。1994年(平成6年)に寄贈された時計は13時半を指しています。駅所在地は函館市松陰町です。私事ですが筆者は2歳から小学2年生まで杉並区阿佐谷に住んでいたので「杉並」が気になります。地図で見ても杉並の地名は見当たりませんし、学校や郵便局の名前にも残っていません。謎です。
函館市交通局3000形電車3002号が来ました。トップ画像の2000形と同時に登場した27年ぶりの新車でした。2000形を基本としています(カルダン駆動、VVVFインバータ制御)が北海道の路面電車で初めて冷房装置と回生ブレーキを搭載しました。アルナ工機製。3001号-3004号の4両が稼働しています。
路面電車は、広島電鉄が典型的ですが多様な車種が走っているのも魅力です。特に函館市電はラッピング1台ずつ異なっているのですれ違うのが楽しみになります。
では 【私鉄に乗ろう100】函館市電05 に続きます。
(写真・記事/住田至朗)