JR東日本シンガポール事務所がことし8月末に立ち上げた企業向け交流プラットフォーム コワーキングスペース「One&Co」。

この One&Co で11月、「ICMG Innovation Summit 2019」が開催され、アジア太平洋地域(APAC)のイノベーションのトレンドと、日本版イノベーションのビジョンなどについて、APACエリアのキーマンたちが共有しあった。

この ICMG Innovation Summit 2019 を主催したのは、大手企業イノベーションの推進支援などを手がけるICMG。今回は、アジア最先端のイノベーション国家といわれるシンガポールのイノベーションイベント「SFF×SWITCH2019」とコラボして実現。

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大企業イノベーションを加速させる最先テクノロジーやナレッジを現地キーマンと共有しながら、スタートアップ企業らが具体的な連携プランなどを模索した。

そこはデジタルビジネスの実験場

まず、いまなぜシンガポールか。ICMG はその理由について「イノベーション国家」「デジタルビジネスの実験場」「アジア・グローバルの中枢」の3点をあげる。

とくにアジア太平洋地域できわ立つのは「デジタルビジネスの実験場」。「シンガポールは、革新的なITテクノロジー、デジタルを通じた課題解決の実験場として注目されている。インフラが未発達な新興市場が抱える数多くの切実な課題・ニーズに対し、デジタルを通じていかに解決できるか、をいち早く実証実験できる場」と ICMG は伝えていた。

トレンドは行動・実験によるリアリティ獲得

また ICMG は、シンガポールを軸とした企業イノベーションに共通する特徴について、次の6項目をあげている。

◆シンガポールでは毎日のように、未来のビジネスモデルの実験が加速している。

◆先進企業は、現業の視点を超え、世界の未解決課題の視点に立脚している。

◆さらに未知からの学びと、偶発性も含めた機会発見を重視している。

◆そのためのイノベーションエコシステム(ネットワーク・コミュニティ連結)を重視する。

◆とにかく、検討や討議でなく、行動と実験によるリアリティ獲得を重視している。

◆シンガポールイノベーションシーンでは、日本企業の存在感が高まり始め、注目している。

創造でなく共創、実感し実験していくこと

「シンガポールの潜在力をよりスピーディに、より効果的にワンストップで」をキーメッセージに掲げる ICMG は、日本型イノベーションのポイントについてこう伝えていた。

◆分析でなく課題を感じること。分類でなくつながること。

◆やりたいことはすでに世界にある。創造ではなく共創していくこと。

◆日本で危機感を醸成するのではなく、世界に出て実感し、実験していくこと。

―――JR東日本が運営する One&Co は、日本企業の海外進出や、シンガポールなどアジア諸国の日本進出などをサポートする空間で、プライベートオフィス、コワーキングデスク、バーチャルオフィスなどで構成。シンガポールのビジネス中心部、タンジョンパガー駅のすぐ近くにことし8月末に開設したばかり。

tokyochips編集部