先々週、仕事で仙台に行ったときに遭遇したC60形蒸気機関車1号機。市内5時間滞在のうち、わずか20分だけ自由な時間を、広瀬川のほとりにある仙台西公園 C60 1 といっしょに。

ゆっくり前から横、後ろとみていくと、運転室側面 C60 1 プレート下に、「ホイラ C59 27」「日本国有鉄道 浜松工場 昭和28年改造」「昭17 日立」というプレート。

これは、1942(昭和17)年、日立製作所で C59形27号機としてつくられ、1953(昭和28)年に国鉄浜松工場でC60への改造を施し、C60形1号機として再び走り始めたという表示。「ホイラ C59 27」は「もともと C59 27 のボイラー」と伝えてるのか。

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おもな改造は、1メートル75センチもある3つの巨大な動輪の直後の従輪(運転台下の車輪)をC59形の1軸から2軸に変更。この2軸化で、軸重の分散を図り、各地の幹線に47両が送り込まれた―――。

お召し列車も担当したこの C60 1。帰りの東京行き新幹線車内でスマホ検索してみたら、仙台市の解説が泣ける↓↓↓

◆西公園に設置された経過

昭和43年に東北線が全線電化されるのに伴い、蒸気機関車が不要となることを知った、当時の仙台市在住の小学生が国鉄東北支社に手紙を送ったことがきっかけとなり、昭和44年5月4日に日本国有鉄道仙台鉄道管理局長と仙台市長で車両貸借契約書が交わされ、同5月5日の引渡し式後、西公園に運搬され現在地に設置されました。(仙台市)

◆車歴
昭和17年10月にC59形式27号機として製造され、米原、姫路などに配属され、東海道本線、山陽本線で活躍
昭和28年11月に国鉄浜松工場でC60形式に改造された1号機となり、尾久を経て盛岡に配属
昭和43年9月まで盛岡機関区を中心に東北本線、奥羽本線で活躍
※西公園に設置されているものが、国内に現存する唯一のC60形の車体(仙台市)

―――この仙台市のページには、みちのく鉄道応援団/蒸気機関車C601保存会が制作した走行動画↑↑↑も掲載中。モノクロフィルムで撮影された C60 C61 の現役時代の映像が収録されている。運転台からの絵もある。

蒸気機関車の息遣いを感じる音声もあり、旧型客車を牽引して鉄橋を渡る姿、動輪直後からの分岐を越える絵、機関士・機関助士の指差し呼称、出だしのドラフト音と……蒸気機関車全盛期時代を知らない世代もドキドキするシーンがいろいろ、泣ける。

(仙台に仕事に行ったとき、見たまま)

写真 記事:鉄道チャンネル編集部