通算賞金10億円 女帝58歳のオンとオフ、夫のサポート、闘い続ける気持ち――女性ボートレーサー日高逸子の過去いま未来 <2>

2020.01.04

水上の格闘技―――ボートレースの世界でいま、女性レーサーたちがめざましい活躍をみせている。

1985年、ボートレース芦屋でデビューした日高逸子は、女性レーサーの躍進をリードしてきたひとり。

彼女が実力でもぎとった通算獲得賞金は、なんと10億円! 35年というキャリアをもってアグレッシブに駆け続ける日高逸子。

女性ボートレーサーの先駆者として水上を駆け抜け、いまでも圧倒的パフォーマンスでファンを魅了し続ける彼女は、ボートレース界でどう闘ってきたか、人生の航路をどう描いてきたか。そしてこの先の水上をどう走り続けていくか……。

女性ボートレーサーのレジェンドであり、2児の母でもある日高逸子の、過去・現在・未来を、3回に分けて連載。

第2回は、勝負の世界を支える夫・邦博さんの食事サポート、日高選手の水上と家庭のオンオフ、子どもたちへの気持ち、そして、今後の目標について―――。

家に帰るとスイッチオフ、八つ当たりしない

Q4 夫・邦博さんの得意な料理は何ですか? また栄養管理の秘訣はありますか?

◆夫・邦博―――肉は脂身の少ないものを用意しています。鉄分が必要なので鶏のレバーとか。あと、若い時は食べなかったのですが、最近は煮物が多いですね。

揚げ物は外側が焦げちゃったのに、なかは生のままとか一発勝負ですが、煮物は調節できるし、根菜は体に良いので…。

◆日高逸子選手―――イカと大根の煮物をよくつくってくれますが、私はあんまり好きじゃない。

それより豆腐に牛肉を巻いて、玉ネギとゴボウを敷いて、火を消してから卵を入れた柳川風なのが好き!

Q5 ボートレース場に日高選手のレースは見に行くんですか?

◆夫・邦博―――レース場から招待された日以外、家族は見に行けないので、テレビで見るぐらいですね。

Q6 レースで奥様の成績が振るわなかったとき、どんな言葉をかけてますか?

◆夫・邦博―――こちらからはほとんど言いません。たまに「(フライングしそうで)スタートが危なかったね。タッチだったね」とか言うぐらい。

優勝しても、しなくても、いつも酔っぱらって帰ってくるのは同じですから(笑)。

◆日高逸子選手―――家に帰るとスイッチがオフになっているから、「次、またがんばればいいや」って感じですね。八つ当たりなんかしないですよ(笑)。

女子レーサーとして一番長く、そして抜かれず

Q7 家庭内での重要な決定事項はどちらが決めてらっしゃいますか?

◆夫・邦博―――完全なヒエラルキー(ピラミッド型階層)ができ上がっていますからね。かんたんには稟議が下りないんですよ(笑)。

◆日高逸子選手―――私のところはカカア天下ですからね。でも邦博さん、最近は事後報告が増えましたよね。「何々を買いました」とか、「家を出ている子どもたちに仕送りしました」とか(笑)。

進学先を決める時でも何でも、子どもたちのことは邦博さんの役。私は月のうち20日間も家にいないから。お金のことは私ですが、最近は2人で相談してやっています。

ただ、私も邦博さんも「子どもたちには苦労させたくない」と思って甘くなってしまうようです(苦笑)。私が子どもたちのお弁当を作っていた時期もあるんですが…。

◆夫・邦博―――お弁当の味は、父の味! なにしろ16年間も作ってきましたからね。今では娘が「(父の)あの煮物のレシピ教えて」と言ってきます。

Q8 第一線で長く活躍を続けるられるモチベーションは何ですか?

◆日高逸子選手―――今の目標は、女子レーサーで一番長く選手をやることです。5年ほど前に、膝が痛くて「もう引退したい」と思ったんですが、治った後にモチベーションがガーンと上がって。

その後、私の生涯獲得賞金が10億円を突破した時に、女子史上最高額だと聞いて、「せっかく1位になれたのなら、抜かれないようにしよう」と。

すぐ後に山川美由紀さんが続いているので。その割に残っていないなぁ…。邦博さん、貴方使ってない?

◆夫・邦博―――実は…モニョモニョ(笑)。

◆日高逸子選手―――ええっ、ここで言うの!?

―――第3回の最終回は、ケガからの意地でも再起動する彼女の気力、最後まで勝負をあきらめない心、生涯現役を貫く心身維持のスキル、若手選手との攻め方の違い、子どもたちに想うこと……などを語ってもらう。

<第1回>
通算獲得賞金10億円!競技人生35年、水上の格闘技で勝ち続ける秘訣と夫の支え――女性ボートレーサー日高逸子の過去いま未来 <1>
https://tetsudo-ch.com/9979244.html
<第3回>
さらに進化する10億円 女帝58歳、平成女子たちとガチ勝負する心技体――女性ボートレーサー日高逸子の過去いま未来 <3>
https://tetsudo-ch.com/9981916.html

<プロフィール>
◆日高逸子
1985年デビュー。宮崎県出身、福岡県在住。58歳。通算優勝73回。1989年と2005年に女子王座決定戦(現 レディースチャンピオン)、2014年にクイーンズクライマックス制覇。2005年に年間獲得賞金5718万円。今年も3000万円を超えた。
◆日高邦博
新潟県出身、福岡県在住。58歳。東京で日高逸子さんと出会い、1996年に結婚。夫婦の間には2人の娘がいる。新しい夫婦の形を実践し、本を出したり、講演会をこなすことも。

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