新しい1年の始まりを告げる初日の出。2026年の幕開けを、特別な景色とともに迎えたいと考えている人も多いのではないでしょうか。東京都内には、レインボーブリッジや東京ゲートブリッジといった都会らしい景色を楽しめる臨海公園から、飛行機のシルエットが美しい羽田空港周辺、さらには本格的な「ご来光」を拝める登山スポットまで、多彩な名所が点在しています。
今回は鉄道のアクセス情報と合わせて、都内のおすすめ初日の出スポット10選をご紹介します。

公園で気軽に初日の出を観賞

開放感あふれる公園は、家族や友人と一緒に初日の出を待つのに最適な場所です。元旦に限り早朝開園を行う施設も多く、東京湾越しに昇る太陽は圧巻の美しさです。

芝浦南ふ頭公園/東京都港区

芝浦南ふ頭公園から見る日の出

レインボーブリッジのふもとにあり、レインボーブリッジと東京湾を一望できる公園です。通常の開園時間は8:00~21:00ですが、昨年同様、1月1日は6:00に開園となり、園内で初日の出を観賞できます。
また、芝浦~台場間の約1.7キロを結ぶ「レインボーブリッジ遊歩道」は、12月31日10:00~1月1日18:00まで、終夜開放されます。レインボーブリッジで夜を明かすことができるのは1年のうち、この日だけ! 芝浦からも台場からもアクセスできますが、初日の出は南側遊歩道のお台場海浜公園付近から見ることができます。

アクセス:ゆりかもめ「芝浦ふ頭駅」から徒歩約7分

葛西海浜公園/東京都江戸川区

公園から見る日の出

東京湾に面した緑豊かな「葛西臨海公園」。約78ヘクタールの広大な敷地内に水族館や日本最大級の大観覧車(いずれも元旦は閉館)などがある人気スポットです。陸側に位置する葛西臨海公園と葛西渚橋で繋がっているなぎさ部分が「葛西海浜公園」。東西に分かれており、西なぎさが初日の出スポットです。元旦はいつもより早く6:00に開園。公園からは、大観覧車や東京ディズニーリゾートのシンデレラ城をバックに昇る初日の出を観賞できるとあって、大変人気があります。
なお、12月31日~1月1日は葛西臨海公園の大部分で、自転車通行に制限がかかります。現地までは公共交通機関か徒歩で向かいましょう。

アクセス:JR京葉線「葛西臨海公園駅」から徒歩約11分

若洲海浜公園/東京都江東区

若洲海浜公園から見る日の出

ダイナミックな東京ゲートブリッジが間近な立地の「若洲海浜公園」。北東側には葛西臨海公園や舞浜が、南東側には海ほたるを臨み、富士山や東京タワーなども見ることができます。初日の出スポットとして例年人気があるものの、広大な芝地が広がっているため、混雑を気にせずに比較的のんびりと観賞できます。
ちなみに「東京ゲートブリッジ歩道」からも同様の眺望を楽しめます。元旦は6:00開場となり、初日の出の鑑賞が可能ですが、初日の出は歩道の反対側から昇るため、見えにくい場合もあることに注意が必要です。

アクセス:通常は、JR京葉線・東京メトロ有楽町線・りんかい線「新木場駅」からバスがありますが、初日の出前のバス運行はありません。徒歩の場合には約1時間程度かかります。駐車場もありますが、混雑が予想されます。

品川富士(品川神社) /東京都品川区

品川神社の拝殿

気軽に訪れて登山気分も味わえるスポットが、1187年に創建された東京十社のひとつ「品川神社」。富士信仰に基づき富士山に模して造営された「富士塚」があることで知られており、5分かからず“山頂”に到着できますが、1合目から9合目までの標石もあり、富士塚に登ることで本物の富士山に登ったのと同じ御利益があると言われています。
山頂で見る初日の出も、ご利益を期待できそうです。

アクセス:京急「新馬場駅」から徒歩約1分

羽田空港周辺は絶好の初日の出スポット

初日の出の鑑賞に適しているのは、周囲に視界を遮るものがない空間です。羽田空港周辺は、地平線から昇る朝日を観賞するのにぴったり。初日の出とともに、離発着する飛行機を見ることができる可能性も大です!
ここでは、旅客ターミナルの展望デッキ以外でおすすめの羽田空港周辺スポットを紹介します。

城南島海浜公園/東京都大田区

城南島海浜公園から見る日の出

城南島の端に位置する「城南島海浜公園」。東京港に出入りする大型船や、羽田空港から飛び立つ飛行機を間近に眺めることができるスポットです。「見渡す限り海」という贅沢なロケーションで、東京湾の水平線から昇る初日の出を拝めます。
人工浜「つばさ浜」は通常8:30開場ですが、元旦に限り6:00に入場可能に。駐車場も6:00から利用可能です。ただし駐車場は例年、開場後はすぐに満車となってしまいますのでご注意を。

アクセス:通常は、JR「大森駅」・京急「大森海岸駅」「平和島駅」・東京モノレール「流通センター駅」からバスがありますが、日の出に間に合うような運転はありません。東京モノレール「流通センター駅」からは、徒歩約50分です。

京浜島つばさ公園/東京都大田区

京浜島つばさ公園から見る日の出

羽田空港のB滑走路が目の前という絶好のロケーションで、離着陸する飛行機を間近に見ることができる公園です。遊歩道が整備されているほか、北端の芝生広場ではBBQも可能。週末は家族連れを中心に賑わうスポットです。元旦は、迫力満点の飛行機とオレンジ色に染まった空を堪能できます。

アクセス:東京モノレール「流通センター駅」から徒歩約30分(日の出後は、JR「大森駅」・京急「大森海岸駅」「平和島駅」からバスがあります。)

多摩川スカイブリッジ/東京都大田区

多摩川スカイブリッジと日の出

多摩川を跨ぎ川崎市と羽田空港を結ぶ「多摩川スカイブリッジ」。2022年3月に開通した約675メートルの橋で、飛行機の離発着とともに日の出を観賞できます。反対側には富士山がそびえているという贅沢なスポット。歩道と自転車道、車道が分離されているため、安全に観賞できることもポイントです。例年、初日の出の時間帯は自転車の通行が禁止されるため、徒歩で向かいましょう。
なお、多摩川スカイブリッジは川崎側からアクセスする場合、最寄りは京急大師線「小島新田駅」となります。京急川崎駅と小島新田駅を結ぶ路線で、間の川崎大師駅は初詣のメッカ「川崎大師」の最寄り駅です。初日の出を見た後は、そのままお参りに行くのも良さそうです。

アクセス:東京モノレール「天空橋駅」から徒歩約15分

「初日の出登山」にチャレンジ!

「初日の出と言えば登山!」という人も多いのではないでしょうか。山頂で見るご来光は格別ですが、冬の登山道は凍結により滑りやすく、山頂でご来光を待つ時間はかなり冷え込むことが予想されます。暖かく風を通しにくい服装とすべりにくい靴を着用し、ヘッドライトなど安全のための準備も怠らず、万全の状態で臨みましょう。
ここでは、初心者でも比較的チャレンジしやすいスポットを紹介します。

高尾山/東京都八王子市

高尾山から見る日の出

新宿駅から京王線で高尾山口駅まで約1時間。ケーブルカーやリフトで気軽にアクセスできる「高尾山」。2007年にはミシュラン・グリーンガイド・ジャポンで最高評価の三つ星を獲得して以来、世界中の人々が訪れる人気観光名所として有名に。標高約599メートルの山で、山頂付近から丹沢山系や相模湾、そして富士山を見ることができます。中腹にある「高尾山薬王院有喜寺」で参拝ができることもポイント。元旦の早朝には境内で「迎光祭(げっこうさい)」も行われます。
ただし、大変人気があるスポットのため、入山規制が実施される可能性があります。確実に山頂でご来光を拝みたい人は、早めの到着を心がけましょう。

大晦日~元旦はケーブルカーを終夜運転
ケーブルカーは2025年12月31日が始発8:00~終発17:30。20:00に運転を再開して終夜運転。2026年1月1日の18:00まで運転します。リフトの終夜運転はありませんが、2025年12月31日は9:00~16:00。2026年1月1日は5:00~17:30まで運転します。

アクセス:京王線「高尾山口駅」から徒歩約5分、ケーブルカー「清滝駅」かリフト「山麓駅」から山頂へ

御岳山/東京都青梅市

武蔵御嶽神社から見る日の出

「高尾山は混雑していて、入山規制も心配」という人は、高尾山ほどには混雑しない、奥多摩の「御岳山」がおすすめ。標高929メートルの山頂に鎮座する「武蔵御嶽神社」には多くの人が集まり、初詣スポットとしても人気があります。もう少し歩いて「長尾平展望台」まで行けば、より開けた空間でご来光を観賞できます。
「簡単に到達できては物足りない」という人は、御岳山から尾根伝いに1時間ほど足を延ばして「日の出山」登山に挑戦を。関東平野を一望でき、その名の通り初日の出を見るのに最適なスポットですが、夜間登山のための入念な準備が必要です。

快速「武蔵御嶽神社初日の出号」を運転
JR東日本は1月1日に快速「武蔵御嶽神社初日の出号」を運転。立川駅・拝島駅~御嶽駅間で上下各2本設定されています。

【参考】 JR東日本【2026年元旦】銚子・外房・御嶽山への「初日の出号」や成田山・平泉への「初詣列車」を運転!富士回遊も運行 https://tetsudo-ch.com/13014565.html

大晦日~元旦はケーブルカーを終夜運転
ケーブルカーは2025年12月31日の18:30まで通常通り運転。23:00に運転を再開し、2026年1月1日の始発7:30まで特別ダイヤで運転します。以降は土休日ダイヤで18:30までの運転です。

アクセス:JR青梅線「御嶽駅」からバスでケーブルカー「滝本駅」へ。ケーブルカー「御岳山駅」からリフト「御岳平駅」に乗り換え山頂へ

雲取山/東京都西多摩郡奥多摩町

雲取山から見た朝日に染まる富士山

東京都・埼玉県・山梨県に跨る山で、都内で最も高い標高2,017メートルの「雲取山」。日本百名山のひとつに数えられる名所です。日帰りも可能ではありますが、登山経験があり、体力に自信がある人向け。前泊を検討するとともに、事前に登山届を提出し、冬山装備をしっかりと備えて挑みましょう。
都内からチャレンジする場合は、奥多摩方面から入る「鴨沢ルート」が一般的。やや難易度が高い登山となりますが、富士山の大パノラマは一見の価値ありです。

アクセス:JR青梅線「奥多摩駅」からバスで約40分「鴨沢」から山頂へ(鴨沢ルート)

2026年の始まりは最高の景色で!

都内の初日の出スポットは、アクセスが良く気軽に立ち寄れる場所から、本格的な装備が必要な山岳エリアまで多岐にわたります。どのスポットを訪れる際も、早朝は厳しい冷え込みが予想されますので、防寒対策を万全にしてお出かけください。新しい1年が、輝かしい日の出とともに素晴らしいものになりますように!

※本記事の掲載内容は執筆時点の情報に基づき作成しています。最新情報および年末年始のダイヤは公式サイトなどでご確認のうえおでかけください。
(画像:Pixta)

鉄道チャンネル編集部
(旅と週末おでかけ!鉄道チャンネル)

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