ニッポンはいま、65歳以上が全人口の3割を占める高齢化社会。さらに2060年には4割へと達し、超高齢化社会に突入。街行く人の半分弱が65歳以上という時代が確実にやってくる。

そこでいま、高齢者とその年代の両親を抱える人たちが不安を抱えているのが、葬儀―――。

そんな超高齢化社会を前に、新しい葬儀スタイルが誕生した。

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その名も「想送式」。そうそうしき。

宗教儀式にとらわれない、国内初の新しい葬儀スタイルで、故人を想いで送る日本初の「お坊さんのいないお葬式」。手がけたのは、愛知県名古屋市に本社をおく、ナインアンドパートナーズ。

この「お坊さんのいないお葬式」は、大切な故人への想いに寄り添った「想送式」を執り行える葬儀会館を紹介するポータルサイト。

https://sousou-shiki.jp/

宗教儀式にとらわれない葬儀

同サイトを運営するナインアンドパートナーズは、「人の尊厳を尊び、遺族が一日も早く別れの痛みから回復し、前を向いていけるような葬儀」と、「遺族や縁のある人たちが納得できる葬儀」を提供すべく、この「お坊さんのいないお葬式」ポータルサイトを起動。

その最大の特長は、想送式が宗教儀式にとらわれないこと。想送式のおもなプログラムは、「想送の儀」「メモリアルムービー」「メモリアルイベント」の3つ。

「想送の儀」は、国内初の試みである想送証明書(商標・意匠登録出願中)を儀式に取り入れ、参列した人たち全員で故人を送る世界観を表現。

メモリアルムービーは、参列者全員で故人の在りし日を回想する映像を上映し、故人に寄り添う時間を演出する。

またメモリアルイベントは、自由な内容で過ごす時間として活用。故人と遺族の希望を聞き、大切な時間をいっしょに過ごすメモリアルイベントを式中に取り入れることもできる。

このプログラムには、「宗教儀式を行わないからこそ、遺族や参列者が故人との最後の時間を大切に過ごし、故人の人柄や個性に合った葬儀をプロデュースできる」というナインアンドパートナーズの設計思想が含まれている。同社 大森嗣隆 代表取締役は、この「お坊さんのいないお葬式」の開発経緯についてこう語る。

「葬儀はもっと自由であっていい」

「新しいシステムや価値観の多様化にあわせ、人々の宗教観も変化している昨今、これからの葬儀はもっと自由であっていいと考えました。葬儀に求められる最大の役割は、『残された人が、別れの痛みから一日も早く回復し、その先の人生を、上を向いて歩んでいけるようにする』ことです」

「故人を囲みながら、親しい家族や友人が集い語り合うことに時間を割くことで、残された人たちが納得の時間を過ごせる葬儀、これこそが葬儀の本質であるという考えから、この無宗教形式の『想送式』をつくりだしました」(ナインアンドパートナーズ 大森嗣隆 代表取締役)

こうした想送式なる新しい葬儀スタイルが生まれる背景には、こんな切実な事情がある。

「日本人の約90%は、日ごろから宗教活動をしていないのに、50%以上が葬儀にお坊さんを呼んでいる」という事実……。こうした矛盾に、ナインアンドパートナーズが新しい葬儀スタイルを展開したと。

「想送式」の料金は、37万5000円から。これまで、親類や葬儀屋のいわれるままに執り行ってきた葬儀に、新たな選択肢。超高齢化社会に、この「想送式」はどう支持されるか―――。

「お坊さんのいないお葬式」のテレビCMや新聞広告なども始まり、すでにTwitterなどでさまざまな声があがっている。