金沢八景駅は工事中に何度か来ていますが、ほぼ完成してからは【駅ぶら】で初めて来ました。撮影初日の【駅ぶら】撮影日にも、夕方でしたが金沢八景駅周辺を少し歩いてみました。今回の【駅ぶら】撮影は二回目ということになります。

まずは横浜シーサイドラインの新しくできた高架線の下を通って国道16号線を渡ります。

これは撮影1日目、琵琶島神社を交差点を渡った先から撮った写真。完全に夕景です。

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では琵琶島神社の方に歩いて行きます。コンビニの手前、鳥居が見えました。神社の出入口です。手前の枯れ木は柏槇(びゃくしん)、延宝年間の高潮で冠水して立ち枯れましたが、腐食せず300年間残っています。

国道16号線の反対側に瀬戸神社があります。そちらにはこの後行きます。

瀬頼朝が伊豆の三島大社から治承4年(1180年)に瀬戸神社を勧請した際に、夫人の北条政子も瀬戸神社前の海中に島を築き、ふだん信仰している琵琶湖の竹生島弁財天を勧請して祀ったのが琵琶島神社です。かつては橋で陸と結ばれていましたが、今はほぼ陸続きになっています。

入って右側に「福石」があります。元は左側の海中にあったものが昭和41年(1966年)国道16号線拡幅工事の際に現在の場所に移されました。

源頼朝が瀬戸神社参拝の際に、毎回平潟湾で禊(みそぎ)をして衣服を掛けた石を「呉服石」、転じて「福石」と呼んだものと言われています。

参道を進みます。

鳥居の脇に「横浜金澤七福神 弁財天」の小さな石像が置かれていました。

右のマンションの部分を過ぎてようやく両側が海(平潟湾)になりました。松籟(しょうらい=松に吹く風がたてる音)の聞こえそうな良い景色です。

右側には横浜シーサイドラインの旧金沢八景駅の撤去工事が行われています。

これは初日(1月19日)の夕方に同じ場所を反対側から撮った写真。1ヶ月後の2月21日の写真(上)とは工事の進捗が異なっています。

この小さな橋で琵琶島に渡ります。

これが社殿。残念ながら立像と言われる弁財天像は拝めません。しかし背後は平潟湾ではないのですね。少し前なら横浜シーサイドラインの金沢八景駅がモロに後にあったことになります。

神道に疎いので神社の建てられる方角の法則を知りません。キリスト教の教会ならばアプス(後陣)、つまり祈る方向が原則的に東、一般的にエルサレムの方角に向けて建てられています。信徒を正しい方(キリスト=救い主の現れる方・東・オリエント)に導くのでオリエンテーションなのですね。これは余談。

さて佐羽淡齊(さわたんさい)という漢詩人の「総宜楼(そうぎろう)の詩碑」があります。筆者の知らない詩人です。(知ってる詩人は極めて限られています)それに拓本でもない限り漢字も判読できないので筆者には漢詩以前です。すみません。ちなみに漢詩は李賀(りが 長吉ちょうきつ)が好きです。中華では唯一”鬼才”と呼ばれる詩人。芥川賞作家の車谷長吉さんがペンネームに使っていましたね。これも余談。

琵琶島から平潟湾の眺め。横浜シーサイドラインが縁取りをしている様な印象です。しかし不思議に悪くない眺望です。

では戻って国道16号線の反対側、源頼朝創建の瀬戸神社に行ってみませう。

【駅ぶら03】京浜急行73 に続きます。

(写真・記事/住田至朗)