人と馬の共生を探る麻布大学、国内唯一の授業とストーリーに衝撃! 新厩舎完成でさらに人馬一体の世界へ

2020.03.04

左から麻布大学 浅利昌男 学長、獣医学部の女子学生、獣医学部 佐原弘益 教授

獣医・動物・健康・食物・環境という5つの視点でアプローチする学び場、麻布大学。

この麻布大学には、「国内の大学で唯一」という全学科 共通科目がある。

それは「体育乗馬」というプログラム。麻布大学で飼育・調教されている馬たちが、学生たちの授業にも登場し、「基礎体育」の授業のなかで全学生が乗馬を体験できる。

こうした事例は、国内の大学でも唯一の取り組み。さらに麻布大学では、学内でホースセラピー(障害者乗馬)の時間を設け、月数回のペースで障害者むけ乗馬なども実施している。

そんな麻布大学の馬たちの部屋、厩舎(きゅうしゃ)が新たに建てられ、同大学3代目となる新厩舎に馬たちが“移住”。これまで使用してきた旧厩舎の解体も始まった。

この新しい厩舎は、日本馬事協会 アニマルウェルフェアの考え方にそった馬飼養管理指針や国際ルールなどに対応した設計で、暑さ対策のミスト噴霧装置や、業務用扇風機、アンモニア臭気対策の換気用ルーフファン、馬の安全面を考慮した馬房壁面・床面ゴムマットなどを備えている。

そして、この麻布大学の新厩舎で生きる馬たちにも、麻布大学ならではのストーリーがある。

レースで活躍した競走馬のセカンドライフの地へ

学生や地域住民たちといっしょに生きる麻布大学の馬たちは、実は“前職”が、JRA日本中央競馬会に所属する競走馬。レースの世界をひたすら駆け抜けてきた馬たちが引退し、レース場を去ったあとに生きる目標を失いかけていたところに、麻布大学が手をさしのべる。

いわば麻布大学が、競走馬のセカンドライフの地。スピードだけを追い求めてきた競走馬が、こんどは麻布大学で同大馬術部の学生たちとトレーニングを積み、障害馬術競技などの新しい目標にむけて、学内の馬場を駆けている。

そこには、獣医系大学ならではのトレーニングや調教も。麻布大学では、JRAで活躍した馬たちのリタイア後を、どう寿命をまっとうするかを考え、引退した競走馬たちのケガを治療し、再び活躍できる場を提供。

新しい競技に対応した筋肉をつけ、ただ前だけをひたすら走る馬から、左右を確認し繊細な演技に対応できる馬へとトレーニングし、まさに「人馬一体」を体現させていく。だから、同大学では教材として馬を新たに購入するというケースはない。

そして、この麻布大学の馬場には2タイプの学生がいる。それは……。

人と馬の共生を探る、馬術部と馬活研究会

麻布大学では、80年以上続く馬術部と、2018年に始動した馬活研究会の学生たちが同じ馬場で活躍している。

馬術部は、年間を通して馬術大会やホースショーに出場。毎年11月に開催される全日本学生馬術選手権大会での優勝をめざし、馬たちと日々トレーニングを積んでいる。ほぼ半数が女性部員で占め、現在の部長も獣医学部3年の女子学生だ。

また馬活研究会は、一般的な飼育管理を含めた馬の取り扱い方法を学び、勉強会や乗馬研修を経て、ホースセラピー(障害者乗馬会)などを定期的に開催し、人と馬の新しい気づきや成長を探求。

どちらのメンバーも将来、馬に関わる獣医や研究、トレーニング現場への進路をめざして活動している。

――― もとJRA競走馬のほかにポニーなどもいっしょに暮らす、麻布大学の新厩舎。

明治23年創設の麻布大学は、ことしで130周年。獣医学部(獣医学科・動物応用科学科)と生命・環境科学部(臨床検査技術学科・食品生命科学科・環境科学科)の2学部5学科と大学院(獣医学研究科・環境保健学研究科)で構成。

新型コロナウィルスの感染拡大を受け、3月29日開催予定のオープンキャンパスは中止になったが、今後の予定は公式ホームページでアナウンスするという。
 
 
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<麻布大学>
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photos and text:tokyochips

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