Phase2では十国峠ケーブルカーにも乗れるようになった(2019年12月編集部撮影)

東日本旅客鉄道株式会社(JR東日本)、東急株式会社、株式会社ジェイアール日本企画は、2019年12月1日から3月10日までのおよそ190日間にわたる観光型MaaS「Izuko」Phase2の実証実験結果を公表しました。

Izuko Phase1&2のチケット販売数比較

Phase2ではサービスエリアの拡大やデジタルチケットの充実を図るだけでなく、スマートフォンアプリを脱却しウェブブラウザへ移行することでUIを大幅に強化。Phase1における1,045枚のおよそ5倍にあたる5,121枚のデジタルチケットを販売しました。

三社はこの理由として、JR伊東線(熱海駅~伊東駅)を含むデジタルフリーパス各種が特に人気であったこと、利用できる観光施設数の増加により複数枚購入するユーザーが増えたことを挙げており、サービスエリア拡大・メニュー拡充が利用者のニーズに合致したものと分析しています。

登録ユーザー情報と各商品の購買傾向
観光施設5種類と、交通系2種類が加わり14種類に拡大

下田市内のAIオンデマンド乗合交通はPhase2から1日乗り放題400円と有料化しましたが、利用客数や1人あたりの乗車回数は1.3倍前後に増えています。また画面デザインや操作性の改善により、操作方法に関するコールセンターへの入電数がPhase1の1/7以下になるなど大幅に減少しました。

デジタルチケットの販売枚数はPhase1、2あわせて6,166枚と目標には届かなかったものの、国内の観光型MaaSの事例の中では圧倒的な利用規模になったといいます。三社は2回の実証実験を通じて明らかになった諸課題に向き合い、社会実装に向けたあるべきサービスを目指し、最終的な実証実験を2020年秋以降に展開する予定です。

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鉄道チャンネル編集部
画像:JR東日本