在宅ストレスで静かに襲いかかる「巣ごもり便秘」に注意! 消化器専門医がその対策をアドバイス

2020.04.28

自宅でガマンしながら過ごしていると、知らぬ間に襲いかかってくるストレス。いま、気づかないうちに「大腸劣化」が深刻化しつつあるなか、どう身を守ればいいか――――。

新型コロナウイルス感染拡大で、テレワークや臨時休校で外出を控える生活がはじまってはや1か月。いま、これまでと異なる生活にストレスに悩む人が急増するなか、「巣ごもり便秘」の危険度が高まっている。

「巣ごもり便秘」とはなにか、またこうしたリスクからどう身を守ればいいか。消化器学専門家で「大腸活のすすめ」(朝日新聞出版)の著者、帝京平成大学 松井輝明教授に聞いた。

静かに襲いかかる「巣ごもり便秘」とは

「まず、わたしたちが一般的に便秘と呼んでいるのは「慢性便秘」で、原因によりいくつかの種類に分かれています。ストレスや生活習慣の乱れもその原因のひとつで、これらにより大腸が痙攣(けいれん)し、便をスムーズに排出できなくなります。腸が痙攣していると、そこで便がつまりやすくなるため慢性的な便秘になってしまうのです」

「また運動不足も便秘の原因となります。じっとして動かない時間が長いと、大腸は動きません。動かなければ便秘になり、有害菌がつくりだす毒素が大腸内に増えてしまいます。外出を控えて巣ごもりをしている間に、自分では気付かぬうちに「巣ごもり便秘」になっている可能性もある」(松井輝明教授)

こうした「巣ごもり便秘」などが大腸劣化をまねき、大腸がんをはじめ、うつ、認知症、肥満、糖尿病などを発症させてしまうリスクがあるという。

そして免疫力低下をも引き起こし、インフルエンザなどの感染症を患う恐れもある。

――― では、こうした「巣ごもり便秘」からどう身を守ればいいか。松井教授はこう教える。

「巣ごもり便秘」対策:善玉菌とエサを継続的に摂取

「この1か月の巣ごもり期間で、『自分は便秘なのかも』と思い始めた人も、長年便秘で悩んでいる人も、手遅れということはありません。腸内環境は、2週間で変化を感じられるからです。腸内環境の改善のため、ヨーグルトや漬物、納豆などの発酵食品を上手に取り入れましょう」

「食事として摂った善玉菌は、そのほとんどが定着せず、便といっしょに体外へ排泄されてしまうため、継続的に摂り続けることがポイントです。また、大腸にすむビフィズス菌などの善玉菌がエサとして好む水溶性食物繊維・オリゴ糖・ラクチュロースなどを積極的に摂るとより効果的です」

「腸内フローラは一人ひとり異なりますから、同じ菌種を2週間ずつ続けて摂取し、便通や便の色・ニオイなどの変化を観察しながら、まずは自分に合ったものを選ぶとよいでしょう」(松井教授)

「巣ごもり便秘」対策:運動の習慣化、生活リズムの改善

「いまジョギングやウオーキングは難しいかもしれませんが、排便時に「いきむ」には腹筋が必要になります。スクワットや腹筋運動、お腹を刺激する「の」の字マッサージや腹式呼吸、からだをねじるなどの運動を行いましょう。特別な運動ではなくても習慣化することが重要です」

「そしてまず、できるだけ規則的な生活サイクルをたもつために、同じ時間に起床するよう心がけてください。朝起きたらコップ一杯くらいの水分と朝食を必ず摂りましょう」

「朝食を摂ることは、眠っている大腸を起こして動かす意味で重要で、快適な便通をもたらす一番のポイントともいえます。朝食後には必ずトイレに行き、排便するトイレタイムの習慣をつけましょう」(松井教授)

「巣ごもり便秘」対策:自分なりのストレス解消法をみつける

「巣ごもり状態が続き、ストレスを感じているときや不規則な生活で睡眠不足になってしまった時は交感神経が優位になりやすく、腸の動きが悪くなります。腸と脳とは連動しているので、好きな音楽を聴く、テレビ番組を見て笑うなど、自分なりのストレス対処法をみつけ、毎日少しでも気分よく過ごせる時間を持つようにしましょう」(松井教授)

――― 知らぬ間にストレスに襲われ、気づかないうちに発症している「巣ごもり便秘」。「善玉菌とエサを継続的に摂取」「運動の習慣化、生活リズムの改善」「自分なりのストレス解消法をみつける」で、いまいちどリチャージを。

「大腸劣化」対策委員会
https://daicho-rekka.jp/

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