大腸劣化とウイルスの恐怖、ビフィズス菌と水溶性食物繊維(エサ)がつくり出す短鎖脂肪酸で免疫力アップ!

2020.09.25

コロナショックが続くなか大腸ショックにも注意―――。

新型コロナウイルス感染に毎日おびやかされているなか、秋から冬へかけては、新型コロナ以外のウイルスも猛威をふるう季節に入り、さらに感染リスクが高まる時期へと突入する。

こうした感染リスクに対抗する、人体がもつ力のひとつが、免疫力。

実はこの免疫力、大腸も重大な任務を担っているということが最近の研究で分かってきているという。しかし日本人の大腸が劣化していることはあまり知られていない。

そこで今回、「大腸劣化」対策委員会は、「新しい生活様式で迎える初めての冬に備える免疫力強化法」をテーマにしたセミナーを開催。大腸を健全に保つことで免疫力も高めることを、各専門家が明らかにした。

人間の免疫力は、腸で生きる腸内細菌に直結している。しかも大腸に多くいるビフィズス菌がカギを握っている。

そしてさまざまなウイルスの侵入を防いでくれる「IgA抗体」という抗体をつくるなかで重要な役割を果たしているのが短鎖脂肪酸。

その短鎖脂肪酸をつくりだすのがビフィズス菌というわけだ。

「まず、免疫に大きく関わりのある腸内細菌が棲んでいるのは 大腸 で、小腸でブロックしきれなかったウイルスたちは、大腸 が最後の砦(とりで)となって体内に入り込むのを防いでくれます」と、免疫にとって3つの重要なポイントを解説してくれたのは、石原新菜医師(イシハラクリニック副院長)。

ウイルス侵入を防ぐ最後の壁が、大腸

「2つめに、腸内細菌のなかでも、身体に有益な働きをしてくれる 善玉菌 の代表がビフィズス菌です。しかも、ビフィズス菌にはウイルスの侵入を防いでくれる IgA抗体 を産生する 短鎖脂肪酸 を出してくれるという大きな役割もあります」

「最後にこの善玉菌、お腹のなかでエサを食べて活発になるのですが、そのエサとなるのが 水溶性食物繊維 やオリゴ糖です」

「善玉菌とエサをいっしょに摂ることで、腸の粘膜で作られるIgA抗体の強力なサポートをする短鎖脂肪酸も出してくれます。菌とエサはいっしょにとる、と覚えておいてください」(石原新菜医師)

石原先生からウイルスの侵入を防いでくれるIgA抗体を作るうえで重要な役割を果たしている短鎖脂肪酸をビフィズス菌が産生してくれているという話を聞いて「ビフィズス菌が全身のエネルギー源!」と、今回ゲスト登壇した LiLiCoさん も共感。「このようなことを学校で教えてくれればもっと人生を楽しめるのに!」と感想を話していた。

そう。それぐらい、善玉菌とエサを摂って大腸を活性化させると、自分の免疫力をアップできるってことで、ここで大腸活性化レシピを紹介。

これが、大腸から免疫力をアップするレシピ

ということで今回、石原新菜医師が提案する「大腸から免疫力をアップするレシピ」がこれ。

まずは「根菜のスパイシーヨーグルトソース」。

ビフィズス菌入りヨーグルトで菌、根菜類で食物繊維を摂取できるレシピ。

カレー粉をヨーグルトに加えることで、香りと色を楽しめるソースに。生姜は、加熱することで身体を温める力がアップするから、顆粒コンソメを溶かすため、みりんといっしょに加熱する。根菜は、食物繊維が多く、さらに身体を温める食材としても注目。

次に「サーモンの味噌ヨーグルトソース」。

こちらもビフィズス菌入りヨーグルトで菌、なめこで食物繊維を摂取できるひと品。

魚の中でもサーモンは、日本人に足りないビタミンD 含有量がトップクラス。同じ発酵食品の味噌とコラボしたソースは味噌の塩分、旨味が活きる。

レンジで加熱したなめこを加えると触感がよく、とろみのあるヨーグルトソースになるという。

「粘膜免疫に重要な強いIgAを増やす短鎖脂肪酸」新藏礼子東大教授

そして講演では科学的アプローチからのトピックスも。

東京大学 定量生命科学研究所 免疫・感染制御研究分野 新藏礼子教授による基調講演「免疫力の強化に欠かせない強い“IgA”を作るためには?」では、体内で最も多く産生される抗体で、さまざまな異物に対応する IgA に着目した情報を分かりやすく教えてくれた。

「冬にむけて、細菌や感染症対策として注目してほしいのは、粘膜の免疫です。免疫には前衛隊である自然免疫と後衛隊である獲得免疫の2種類があります」

「自然免疫は、生まれながらに持つ免疫のことであり、外敵が入ってきた際に、すばやくそれを感知してやっつけてくれます。さらに重要な働きとして、やっつけた外敵の情報を獲得免疫に伝えてくれます」

「獲得免疫とは、生まれたときには未熟ですが、外からの刺激を受けることで発達する防衛機構で、抗体などが含まれます」

「IgA とは、体内で最も多く産生される抗体で、さまざまな異物に対応することができます。IgA は免疫細胞の多い腸内に多く存在し、非特異的にウイルスや細菌を排除したり、腸内細菌を制御したりして、外敵から守ってくれます」

「しかし、質のよくない IgA では外敵への反応性が低下し、腸内細菌に対しても、いい菌と悪い菌の識別ができず、腸内環境の悪化を招いてしまいます」

「IgA は、加齢によって質が低下することが分かっており、高齢者の免疫力が低下する一因と考えられています。ですので、質のよい IgA を沢山つくることが重要です」

新藏先生によると、IgA の産生量増加には、「短鎖脂肪酸」の働きが重要であることが、近年の研究からわかってきているらしい。

強い IgA をつくり出すためには、伝統的な発酵食品やホールフード、善玉菌のエサとなる食物繊維、「短鎖脂肪酸」を産み出すことのわかっているビフィズス菌などを取り入れることのできるバランスのよい食事を摂取することが重要というわけだ。

「長寿の秘訣は善玉菌の多い発酵食品と菌のエサとなる水溶性食物繊維」森田英利 岡山大教授

また、岡山大学大学院 環境生命科学研究所 森田英利 教授は、「長寿と腸内環境の関係」をテーマに特別講演を行った。

「通常、免疫は老化によって衰えます。例えば、日本における肺炎の死者の97%が65歳以上の高齢者です。また、SARS患者の致死率も若年層は低いが、65歳を超えると50%以上が亡くなってしまったという報告があります」

「加齢による免疫の低下は、IgAの反応性の低下による腸内環境の変化に関係しています」

「また、110歳以上の超長寿者は強力な殺傷能力を持ち病原体やウイルスに感染した細胞を攻撃して破壊するキラーT細胞が多いといった特徴が明らかになっています」

と、森田先生は免疫と老化の関係について解説してくれた。

また、超長寿と腸内環境の関係を知るために、長寿で有名な奄美諸島で行った調査の結果から、奄美諸島の長寿者の腸内細菌には、全国平均と比較してビフィズス菌・アッカーマンシア属・メタノブレビバクター属が多く、多様性に富んでいることがわかったという。

さらに、研究の結果から、寝たきりなど、健康状態が悪化するとビフィズス菌などが減少することも判明。奄美諸島の伝統食を調べると、善玉菌の多い発酵食品と菌のエサとなる水溶性食物繊維を組み合わせた食が多く、これらの食事が長寿の秘訣であると考えられている。
 
 
――― ウイルス侵入を防御する最後の壁=大腸。

新型コロナ以外のウイルスも猛威をふるうこれからの季節、ウイルスの侵入を防ぐため免疫力をアップするには、大腸を劣化させず良い状態に保つことが重要。

そのためには、ビフィズス菌などの善玉菌と菌のエサとなる水溶性食物繊維を組み合わせた食事を心がけること。

いますぐにでも始められるから、今後の食生活に、ビフィズス菌と水溶性食物繊維を意識したメニューを、試してみて。

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