【鉄ch日報】オンライン鉄道まつりに期待すること【20201012】
コロナで人が集まれないから鉄道関係のイベントも軒並み中止になるかと思いきや、現地で開催する事業者もあり、オンライン開催に踏み切る事業者もあり、この難しい状況下で何とかして「鉄道イベントをやれないか」と各社試行錯誤しているのが伝わってきます。今日も「きんてつ鉄道まつり」のニュースを出しましたが、SNS上での反応を見ていたら「今年は中止なのかと思っていた」といった趣旨の言及もあり、変わりゆく状況の中で開催をどう判断するか、どんなタイミングで告知を打つか、その難しさがうかがい知れます。
鉄道イベントといえば自分の中では車両基地イベントですが、基地はいいですよね。「普段は見られない角度から」いろいろな車両を安全に見学できたりする。ファミリー向けには子供が楽しめるような陸軌両用車の乗車体験イベントなんかもやる。運転台も見せてもらえる(取材でも写真を撮らせていただけることはありますが)。会社によっては沿線のグルメを買えたりもする(2019年の横瀬車両基地まつりとか)。だから現地に行くと面白いなーって感じるわけなんですけど、オンラインだと目で見て楽しむ以外にない。
一方でオンラインにはオンラインなりのメリットもあって、その最たるものが「自宅にいながら遠く離れた会社の車両基地を見学できる」こと。関東から関西の車両基地へ行こうとすると往復で数万円単位のお金とそこそこの時間が飛んでいくわけですが(去年の取材で東京~大阪間1,500円の夜行バスに乗った覚えがありますが、普通はそういうことはしないので「数万円」でいいでしょう)、そのハードルが「ほぼ」なくなる。ワンクリックで済む世界なら「普段はいかないあの鉄道会社のイベントを見てみようか」という気にもなるかもしれませんし、鉄道会社側としてもオフラインでは開拓できなかったファン層を獲得できるかもしれない。
個人的にはせっかく動画配信するのであれば普段とはちょっと違う感じのものが見てみたいですね。オフの鉄道イベントに来るのはファンばかりですからファン向けのイベントをやればいいんですけど、ネットには鉄道のことを知らない人が無限にいるわけです。ならこれからファンになってくれるかもしれない若い人向けに、人気のタレントとコラボして動画配信すればいいんじゃないかなあ、と漠然と考えちゃう。最近ならVtuberにお願いしちゃうとかね。まあファンが多いと燃えやすくもなりますので、鉄道には向いてないかもしれませんが……。
文:一橋正浩