沿線自治体が一部区間廃止を容認~留萌本線の旅(2)

2020.12.06

【前回】 沿線自治体が一部区間廃止を容認~留萌本線の旅(1)
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留萌本線は函館本線・深川駅から留萌駅を結ぶ全長50.1kmの路線です。かつては増毛が終着駅でしたが、2016年12月に留萌~増毛66.8kmが廃止されたことでJR九州の筑豊本線(66.1km)を抜いて「JRグループで最も短い本線」になりました。沿線自治体は一部区間の廃止・バス転換を容認しましたが、JR北海道の島田修社長は全線廃止を示唆するなど両者の思惑が並行しています。第2回目は鉄道の要所「留萌駅」を紹介します。

留萌駅の歴史

留萌本線は留萌港への輸送を目的に施設

留萌本線は留萌港への石炭や木材、海産物等の輸送を目的として、1910年11月23日に深川~留萌が開通しました。開業当時から路線名や駅名は「留萠」の字が使われていましたが、1997年4月1日に留萌に変更されました。市の名称と異なる「萠」が使われたのは台帳の記載ミスがそのまま採用されたと言われています(諸説あり)。留萌駅は留萠鉄道臨港線や、国鉄・羽幌線(留萌~幌延) を分岐する鉄道の要所でした。分岐する各路線が廃止された現在は、一日の運行本数は17本のみとなっています。

国鉄時代を彷彿とさせるコンコース

現在の駅舎は1967年11月15日に落成し、留萌振興局(道庁の出先機関)にふさわしい鉄筋コンクリート2階建ての立派な作りで、コンコースや待合室も広々としています。駅舎の2階にコミュニティ放送局「エフエムもえる」が開局。地域に根差した放送を行っています。

巨大なカズノコのオブジェとゆるキャラ

駅コンコースには名産のカズノコのオブジェや、それをモチーフにしたゆるキャラがディスプレイされています。ニシン漁の最盛期は昭和初期でしたが、今でもニシンが水揚げされており、カズノコの加工も行われています。

一度は食べたい名物・ニシンそば

他の駅では味わうことができない逸品

留萌駅は1日わずかな乗降数にも関わらず、待合室で駅そば屋が営業しています。中でも甘く煮込んだニシンが絶妙な「ニシンそば」は必ず食してほしい逸品です。羽幌線の廃止と共に姿を消した駅弁も「にしん親子弁当」として販売。作り置きできないため前日までの予約が必要です。留萌本線が廃止された後も、どこかで販売されることを願わずにいられません。

幻の蒸気機関車  D61

留萌地区の鉄道の歴史を集約

留萌駅の待合室には、かつて運行されたSLすずらん号のヘッドマークや、留萠鉄道新雨竜駅の運賃表、懐かしい写真など留萌本線にまつわる資料が展示されています。中でも「D61-3」の存在は鉄道ファンなら誰もが胸を震わせることでしょう。

世界唯一の現存車両

昭和14年から大量に生産されたD51をベースに、昭和35年に1軸ボギーを2軸に改造した「D61」が誕生しました。しかし思ったほどD51の余剰はなく、わずか6両で改造中止となっています。市内の見晴公園に羽幌線・留萌線で1960年から73年まで石炭輸送で活躍したD61が世界で唯一展示されています。

保存状態は良好

見晴公園までは駅から徒歩10分ほど。「D61-3」は街を見下ろす小高い場所に誇らしげに鎮座していました。錆は見当たらず留萌の方々に大切に保存されていることが伝わります。

1軸ボギーを2軸に改造

D51より動揺が少なく乗り心地が向上しましたが、動輪の空転が発生しやすく冬季の使用は敬遠されたと言われています。蒸気機関車からディーゼル機関車に転換される時期だったことも不運と言えるでしょう。留萌に来た際は注目されることなく消えて行った「幻のSL」を見に行ってはいかがでしょうか。

文/写真:吉田匡和

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